第7話 看破

 「す、住みにくい!」


ネルフィアらに迎えられて数日経った、ある日のこと。


俺は自分の住んでいた惑星との文明差などを実感して苦しんでいた。


とりあえず、現状分析をして困っていることを洗い出そう。


1つ目は、現地人を酩酊される俺の匂いだ。


数日、過ごしてみてわかったんだがこの匂いは生存本能が興奮することにより発せられるようだ。


前回の騒動の際も、肉体の極度の疲労により本能が危機を感じたことにより発匂したと推測される。


つまり、俺は疲労を溜めてはならないと言うことだ。だが、キャンプのベッドは悲しいことにものすごく寝心地が悪い。


次に、食事についてだ。提供してもらえるだけでもありがたいのだが、なんというか味が薄すぎて食べた気がしない。


最後に、入浴についてだ。川の水で綺麗にするしか選択肢がないのは辛いですよ。お湯とプライベートの個室がほしい。


とグダグダと不満点を述べてきたが、じゃあ具体的にどうするか?


「自分でどうにかするしかないよな」


幸いなことに俺には便利な腕時計コンピューターのデータベースと少しの工作技術がある。


こうして、俺はすぐにできることを実行に移すのであった。


まずは、工具と設備がなければ話にならないということで、リティナと一緒に使用済み墜落ポッドを回収しにいく。


「な、なんだと…」


だが、そこには見るも無惨に爆散して飛び散った残骸しか残っていなかった。


「なにこれ、見たことないものばっかり」


と、リティナは未知の技術の痕跡に驚く様子を見せるが、俺は落胆す。


「ああ、そういえば、惑星法規で墜落した場合は、現地生物に影響を残さないように処分だったけ…」


この時ばかりは、惑星法規くそったれと思いながらもしゃーないので残骸を回収していく。


持って帰って、溶かして工具にするくらいはあるだろうか。


その帰り、リティナ達からいろいろと質問攻めを食らう。


「ジョースケって、どんな所に住んでたの? 前に乗ってたのは、一体どんなことができるの? 」


「うーーん、なんて言ったらいいいのかなぁ…表現しにくいんだよな…」


リティナが次々と本質を突く質問をしてくるので、俺は言葉を濁すがバレるのは時間の問題だと確信する。


「じゃあ、意識共有しよっか! 今度は倒れないように手加減するから」


(あっ、これバレるわ)


そうして、リティナに意識を共有され、彼女に俺が男という異質であることと未知の文明からやってきたことがバレた。


だが、その事実を知った彼女は


「すごい! ジョースケの住んでた土地って見たことないものばっっかりで私も行ってみたいよ! 」


「え? 俺の身体については何とも思わないの? 」


と、男の性的特徴にノータッチだったことに驚く。


「え、だって、翼が生えた種族とか他にもいろいろ変わったのもいるし今更なんだよね。でも、ジョースケから香ってくる匂いは今まで感じたことのなくて魅力的だよ」


「はい、ごもっともですね」


今まで、男であることを隠していたことはどうやら取り越し苦労のようだった。


「でも、特別な君の血はとっても魅力的でどの種族もほしくなるだろうね」


と、リティナな意味深なことを言うのであった。

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