第4話 匂い

 俺は巨大コロニーツリーハウスの外部者用スペースに案内されてその客室の一室でクタクタで横になっていた。


でも悲しいことに寝れない。

なぜなら、ものスゲ寝心地悪い中世レベルのベッドらしきもの、遭難から現地人との格闘などいろいろなことが起きすぎて脳が過覚醒状態などなど。


とても眠れる環境ではないのである。だるいのに眠れないときほどしんどいものはない。


汗ばんでなんか体から変な匂いするし、もう嫌だわと思い始めた頃。


トントン


と客室の木造ドアを誰かが叩いた。


「寝れてるかい? 」


といろいろ助けてくれたリティナが訪ねてきた。


「疲れて寝てまーす」


「ハハハ、起きてるよね」


リティナの笑った反応がドアの向こうから聞こえる。


「先ほど、長老会が終わって君の処遇が決定したよ。しばらくの間、ここにいていいってさ」


どうやら、俺の安全は保証されたようだ。


「感謝してくれよ。ジョースケは外敵ではないと説得するのは大変だったんだからね。」


「ありがとです」


そうすると、リティナがしおらしい声を出して


「それでさぁ…君と情報共有した時、すごく惹かれる気持ちになって、だからこそ君に助太刀したんだと思う。も、もちろん、君に嘘をついて囮にしたことは謝るよ。でも、あれが一番助かる可能性があって…」


「いいよ、いろいろありがとうな。良い奴じゃんと思って知り合ったばかりの俺と危険をおかしてくれるあたり、お前とは良い友達になれそうだわ」


ああ、今この瞬間生涯の友が出来たような喜びを感じる。


「立ち話もなんだし入ってこいよ」


俺は感謝と友情の祝福を分かち合おうとリティナを部屋に招く。


「お、お邪魔します…なんだかすごく甘い匂いがするな…」


とリティナがドアを開けて入ってきて、ソワソワしながら椅子に座る。


そんな反応されると俺までソワソワしちゃうよと思ってしまい、少しの沈黙する。


彼女の顔を見ると恍惚とした表情で目も虚ろな感じである。まるで、発情した動物のように…


「君って、本当に甘くていい匂い。好きになっちゃいそう」


「もしかして、酔ってる?」


そう結論したときには彼女は俺に抱きつこうとしていた。だが、フラフラとした足取りで酩酊したようではあり、容易に逃げることは可能だった。


それを交わし、ここに居たら男がバレて大変なことになると思い、俺は急いで部屋を出るのであった。

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