7月のある中旬の出来事③

 遊びに誘われるわけもない。何かしらのリアクションが来るわけでもない。そんなことはそもそも望んていない。そのはずなのに、なぜかそうなることを望んでいるかのようなインスタのストーリーを上げる。自分の心の内がまったくもって理解できなくてつらい。嫌われている、距離を置かれている(おいている)と自分でもわかっているにも関わらずどうしてかこのような行動をとってしまう。自分でも本当にわからないんだ。



 でも、一つ言えるのはまだ心のどこかであの人の事を想っているということだろう。とっととあきらめればいいのに。忘れたらいいのに。そのためにインスタのDMでの会話を途中で終わらせたのだ。正直言ってあのストーリー(内容は伏せる)にリアクションが来るとは少しだけではあるが思っていた。まあ、嫌いならばわざわざリアクションしてくるとは思わなかったが比較的マシなDMだった。どうしてか会話がいつもより弾んでいた。この数日間だけ。半分いやいやだっただろうけど。それだけで満足だ。というか考えてみれば、先週の土曜日に一人で行った時の報告に関しても一緒だ。結果として断られている。実際には一緒に行こうと誘いはしなかったものの、遠回しに予定があるからどのみち無理だったよって言われた。そこで諦めておけばよかったのに。会話が弾んだ“ように”見えてしまったが故に今回のようなことになっている。実際に会ってみればすべて理解できた。俺と遭遇した時のあの人の顔は常に笑っていない。他の人との会話では笑ってる。これが決定的な証拠でしょうよ。楽観主義すぎる人がこの事態に直面したなら、その人は「意識されてるんかな?!やったー!」とかでも思うんだろうが、僕にはそうは思えない。



 僕は基本的にいつも最悪の場合のことしか考えていない。想像した通りにならないことが多いけれど、ベクトル的には一緒だからその点で言えばほぼほぼ当たっている。



 同じ空間にいるだけでしんどくなる。無理なのだ。好きという感情を最早超越して嫌いの域まで達している。相手のことを嫌いになろうと思えばいくらでも嫌いになれる。そもそも自分には人間関係というものが苦手なのだろう。どこかでトラブルが起こる。どうしても。だからこそ僕は結婚しないと決めているし、今回の恋愛を最後にもう二度と一生恋愛をする気はさらさらない。このセリフは一年前にも云った様な気がするが。今回ばかりは、本気。相手を傷つけてしまう。そして何より自分が自分でいられなくなるから―――――



 一年前のあいつは今どうしてるだろうか。一度連絡してもいいかなと思うけど、あいつも忙しいだろな。●●学部って何するのか知らんけど。ただ、聞いてみるというのもありなのかな。ほぼ絶縁みたいになってるけど、入学式の時にあげたストーリーになぜかリアクションしてきたし。しゃべってもいいよってことなのかな。聞くことは至ってシンプル。メンヘラを拗らせたときどうするか、だ。もちろんほかの人に話を聞いてもらうというのはなしで。そんなことできていたら今悩んでいない。



 確実に言えることは、自分は恋愛に向いていない体質なんだなってこと。周りはこれでもかというくらい青春を謳歌している。僕自身、いくつかのコミュニティなるものに属しているが、どのコミュニティをとってきても所謂リア充が多い。それも出会って数か月、早いところだと1か月で交際関係まで発展してる人たちもいる。それに対して自分。もちろん僕も出会って数か月なわけだが、全く進捗していない。さらに言えば、関係性が悪すぎる。もちろん、そのリア充の一人に恋愛相談的なものはしている。その人のアドバイスを聞き入れて実践したりもしてる。それでも何の成果もない。苦しい。恋愛感情なんてもの自分の頭から抹消したい。今まで何回そう思ってきたことか。もういい加減終わりにしたい。

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