女神様

 オレはいつもより少なく唐揚げを半分だけ

 食べた。

 

 …少しマラソンしてみようかな。

 タオルを首にぶら下げマラソン開始。

 

 あー、疲れたー。

 

 よし、歩こう。

 川沿いをゆっくりウォーキングしていた。


 すると川沿いにそれは美しい清楚な女性が

 ハンカチらしき物を敷いて座っていた。

 

 

 え…

 …川の女神様?

 って思うくらい美しい。

 

 サラサラの黒くて長い髪の毛が風でサワサ

 ワとなびいていた。

 

 うわぁー。

 神秘的。

 川が夕日に照らされているからか、余計に

 神々しくオレの目に写った。

 

 

 オレはその日から女神様が忘れられなかっ

 た。

 

 …今日も女神様いるかな。

 

 学校から帰るとすぐさまウォーキングを始

 めた。

 

 

 …今日は、いないか。

 

 ま、でもウォーキングは続けようかな。

 なんか少しからだが楽になる気がするし。

 

 と思っていた。

 すると次の日先生にオレは呼び出された。

 

 なぜか保健の先生も座っていた。

 そして一枚の用紙を渡された。

 

 …肥満。

 

 プリントには、そう書かれていた。

 うん。わかっている。

 薄々自分でもわかっていた。

 

 いや、薄々というよりか完全にわかってい

 た。

 

 …仕方ない。

 本格的にダイエットでもするか。

 

 

 それから毎日ウォーキングをした。

 川沿いでついオレは探してしまう。

 …女神様いないな。

 

 そして今日もウォーキングしなきゃと下校

 していたら由奈子氏が現れた。

 

「田山くん!」

「あ、どうも」

「ねー、田山くん。最近痩せた?」

「あー…少し」

「なんで?なんで痩せたの?」

「え、あー学校から肥満って用紙もらったか

 ら」

「クスクス。そっか、あんまり無理しないで

 ね!じゃ」

 と言い由奈子氏は、帰って行った。

 

 

 今日もタオルを首にぶら下げウォーキング

 スタート。

 

 夕方の風は気持ちがいい。

 汗をかいてからの風は、こんなにも清々し

 いのか。

 

 オレは最近学校から帰るとすぐさまウォー

 キングを始めるのでおやつ唐揚げを食べな

 くなった。

 

 すると一か月でかなり痩せた。

 でも、まだまだデブには変わりはない。

 

 

 休み時間

 ギャル由奈子が寄ってきた。

 

 そしていきなりの発言。

 

「ねー、触ってもいい?」

 って言ってきたじゃないか。

 

 

 ⁉︎

 

 え…

 と思っていたら、

「ダメかな?」

 とオレをかわいい眼差しで見つめてきた。

 

 オレは思わず、

「あ、うん。どうぞ」

 と答えてしまった。

 

「じゃあ、失礼します」

 ペタペタ。

 サワサワ。

 

「うわー、前と少し違う。筋肉ー」

「えっ、どれどれ」

 お友達もオレをペタペタ

 

 すると男子も集まってきた。

 

「おー、筋肉‼︎もしかして筋トレしてる?」

「あー、最近少し」

「ならさ、オレいい筋トレ方知ってる。」

「えっ、オレもやりたい」

 続々と男子がオレの周りに集まってきた。

 

 そして休み時間クラスの男子と筋トレをす

 るという儀式がうまれた。

 

 一人の時は、それはそれで平和だったしな

 んちゃなかった。

 でも、こうしてみんなでワイワイしてるの

 も悪くないなと思った。

 

 あの頃のオレはまだ何も知らなかった。

 

 

 

 

 放課後たまに由奈子氏と一緒になる。

 

「田山くん」

「あー」

 由奈子氏…

「ねー、ねー、最近田山くんよく笑うように

 なったよね。わたし田山くんの笑った顔す

 っごくいいなって思うよ」

 と由奈子氏は、言った。

 

 …え。

 

 オレはギャルにおちょくられているのだろ

 うか…

 

 …でも今の由奈子氏は、ほんとのギャルじ

 ゃないよな…

 でも、これは…

 本気で言ってくれてるっぽいな。

 しかし、

 意味わかんねー人。

 

 

 続く。

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