頭いい?
…なぜかデブとギャルが一緒に帰ってる。
…何話したらいいんだよ。
って思ってたらギャルが、
「あのさ、いつも助けてくれてありがとね」
と言ってきた。
「あー、なんか偶然色々重なっただけだから
あんまり気にしないで。」
というと、
「うん。ありがと」
とギャルは、ニッコリした。
…え?
こいつ…
こいつ、こんなにかわいい顔するのかよ。
いつものようにギャルでギャーギャーして
てくれた方が気が楽なんだけどな…
…なんか緊張すんじゃねーか。
「ねぇ、わたしってウザい?」
はぁっ⁉︎
なんだ…唐突に。
「えっ、そんな事ないんじゃん…」
「ほんと?よかったー。あ、そうそう。わた
しずっと謝ろうって思ってた事があるの」
「え?」
「前にさ、ぶつかった時山田くんって言った
でしょ?あれわざとなんだ」
「はい?」
「なんかさ、いつも田山くん一人だしつまん
ないかなと思ってわざと話を振ったつもり
だったんだけど、あれウザかったよね、ご
めん」
と言われた。
…たしかにうるせーなーって思ったけど、
アレはオレに対する気遣いだったのか。
「それと、田山くんじゃなくて田山クマって
言ったのも、笑ってくれるかなって思って
言ってみたんだけどそれも空回りだったみ
たいで…ごめんね」
と謝られた。
…この人、実はかなりの気いつかい人間じ
ゃん。
「あー、そうだったんだ。なんか気づいてあ
げられなくてごめん。」
「ううん。いいの。でも、やっと謝ることで
きてよかったー。ずっと気になってたの」
…なんかすげーいいやつじゃん。
「うん。気にしてなかったから大丈夫」
「よかった〜。ありがと」
「じゃあ、もう大丈夫だから」
「えっ?」
「もう謝り終わったでしょ。だからデブなオ
レと並んで歩かなくてもいいよ」
「なにそれー、太ってるとかそんなの関係な
いじゃん。それに同じ方向なんだから一緒
でいいじゃん」
なんてギャルは、笑った。
…そういうの気にしないでくれるんだ。
なんか話せば話すほどいい人過ぎんじゃん。
次の日
…やっぱりうるさいギャルの由奈子。
ギャップありすぎだろ。
ま、オレには関係ないか。
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴った。
ガラガラ。
先生は、教室に入るなりテストを返しだし
た。
「じゃあ、テスト返したら直しするからみん
な赤ペンだしとくように」
「はーい」
みんなだるそうに返事をした。
「相田ー、」
「井上、」
「内田、」
「江野」
「奥野」
…
そしてオレの番。
…あー、七十点。
微妙。
オレはいつも平均男だ。
直しをしていると誰かの答案用紙が風で飛
んできた。
あー、しゃあないなぁ。
よっこいしょっと。
え…
オレは答案用紙をみてビックリした。
希乃由奈子九十八点⁉︎
…ギャルって頭いいの⁉︎
勝手な偏見は、いけない…
と、改めて思った。
小声でギャル由奈子が、
「あ、ありがとう」
と言った。
「うん」
オレは小さく返事して、飛んできた答案用
紙をギャルに渡した。
あー…ビックリしたわー。
ってかギャップありすぎだろ。
そして放課後
唐揚げを今日は、こしょう沢山かけてマヨ
ネーズ絡めして食べようと考えながら歩い
ていた。
すると肩をトンッとされた。
?
振り向くと…
あ。
由奈子氏…
「途中まで一緒に帰ろ!」
「え…、うん」
まぁ、断る理由もないか。
でもオレ汗臭くないのかな?
この人オレの隣に居て嫌じゃないのかな…
「今日さ、」
「あっ、うん。何?」
「テスト拾ってくれてありがとね」
「あー、ってか点数みちゃった。頭いいんだ
ね」
「うーん。ってかさ、まぁ勉強できて損はな
いでしょ?」
「あー…うん」
くだらない会話をしながら歩いた。
「じゃ、またね」
「うん」
オレは由奈子氏とまたねと挨拶をした後、
思った。
オレやっぱり汗臭いって。
…オレ太りすぎかな。
続く。
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