【短編集】殴られた君は美しいから僕は好き。

作者 藤樫 かすみ

33

11人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!

 このお話は精神の淀みを整理するための毒となります。

 人間の狂気であったり偏愛であったり。そういった人間の精神をかき混ぜて沈殿させるお話です。するとあら不思議、デタラメに積み上がっていたものが綺麗に層を作ります。

 誰にでも普段は気付かず無意識に内側に抑え込んでいるものがあります。そういったものも、人間の精神のバランスを取るために必要な役割を果たしています。
こういった深層心理は人生の経験を経れば経るほど歪な形になってしまうものです。

 この短編集はそういった闇に潜むものたちを想起させてくれます。そうして目にしたくない自分の一部を呼び起こし、またそっと片付ける。こういった作業の一助となるでしょう。

 読み終わった後に少し時間を置く。
 その時間がきっと心地良いと思います。

★★★ Excellent!!!

ありがとうございます、これしかまずは言えません。
全ての作品が私の性癖(というとやや卑俗ですが)に四方八方からドスドス突き刺さりました。ど真ん中どストライクです。1番好きなのを選べと言われても「どれも良かった!!」としか言えません。3Lどれも書ききって、その上狂気(凶性)とエロスを感じさせる作風がたまりませんでした。作者様は「暴力描写がなくても狂気や愛を表現したい」旨を仰られていましたが、それは本当に難しいことで、神話の昔から性愛と暴力は不可分のものです。
百合中心とのことですが、そのうちその「神話の昔からの定石」を覆す作品を書いていただけることを期待しています。

★★★ Excellent!!!

 この度は、私の自主企画にご参加いただきありがとうございました。期待通りのドロドロ話でした。

水に沈める……登場人物たちの不気味な立ち振る舞いがとても良かったです。二人きりのプールの情景描写もとても巧みでした。

花火に泣き喘ぐ……こういうぐちゃぐちゃ感、私は好物ですよ! 可哀相な分、可愛いですよね。直接的な暴力表現が無いからこそ、主人公の狂気が浮き立って効果的でした。

★★★ Excellent!!!

このお話、不思議な魅力があります。
とりあえず、ヒロイン?の藤若さんが魅了的。高校生で悪女。
それに舞台が魅力的です。夜の学校のプールのほとり、そして空には月が上がっている。
それ以外には情景描写がほとんどないにも関わらず、読者の想像力が勝手に隙間を補完する。これは面白いです。
おそらく読者一人一人に別の物語、キャラクターがあるのでしょう。キャラクターについてもそう。顔立ちに関する説明がほとんどないにも関わらず不思議とキャラクターが浮かび上がる。これはなかなか新鮮な体験でした。

ぜひ、自分の藤若さんと有屋さんを見つけに行ってください。