第2話⁂幼年時代⁂


 

 私は色々問題のある子供だったのよ。それでも…無事小学校に通い出したが、目に余る問題児だったわ!


 そうそう低学年の頃。

 授業中だと言うのに動いていないと気分的に落ち着かないので 、知らぬ間に動き回ってしまう。そわそわして、じっとしていられなかったのよ。

 

 授業中だと言うのに、うろうろ教室を歩き回る私。


「カレンさん座りなさい」


 尚も動き回り、その挙句に私は朝の登校時に転んだことを思い出した。

 

 そして…そわそわ歩きながら授業中だと言うのに話し出したわ~。


「今日学校に来る途中、こけて足をすりむいて保健室に行ったけど先生がいなかった」


「カレンさん、授業中に個人的な話はダメですよ!………けど…すり傷大丈夫?……他の先生にばんそうこうをもらっ た?」


「あっ!そう言えば思い出した。朝家でプリン食べて来たけど、めっちゃ美味しかった」


「今すり傷の話ですよ?足大丈夫?」


「うん でね、今日の昼食何ですか?カレンお腹空いた」


「まぁ呆れた!まだ1限目よ!カレンさんいい加減にしなさい!」


 全く話に一貫性が無く、一方的に話し出す発達障害特有の症状である。

 それでも…先生も予備のばんそうこうが有ったので、私に渡してくれたわ。


 いつもの事だけど、余りのチンプンカンプンな話に、生徒達の怒号の様な笑い声が教室中に響き渡る。

「ワッハッハーワッハッハー」


「話が滅茶苦茶ワッハッハー」


「やっぱりカレンだわ~ワッハッハーワッハッハー」


 会話のキャッチボールが全く成立していないって言われるけど……つまらない話に付き合いたくないのよ😢


 

 ◆▽◆

 私はね、余りの行状に、休憩時間に悪ガキたちから散々な目に合っていたわ。


「カレンは授業中に動き過ぎて邪魔だ!皆カレンを捕まえて!」

 悪ガキのボスが指示を出している。


「ようし捕まえるぞ——ッ!」


「カレンを動かないように縛り付けてやろう」


 元々多動で運動神経抜群の私は逃げ切るが、最終的に捕まり縄跳びの縄でグルグルに縛り付けられた。


 一方の男の子と、もう一方の男の子が反対方向に別れて荷物を締め付けるように、ギュッギュッと思い切り締め付けて縛り付けた。


 堪え切れずにとうとう私は泣き出したわ。

「ギャ————ワァワァ~~ン😭ワァワァ~~ン😭ウウウウッ(´;ω;`)ウゥゥワァワァ~~ン😭ワァワァ~~ン😭」


 見兼ねた女子が悪ガキたちを𠮟り付けている。

「いい加減にしなさいよ!可哀想でしょう」


「本当よやり過ぎ!」


 こんな酷い目に合いながらも、チャンスと思い女子達の助け舟に乗っかって言い返してやったわ。 


「ほ~ら見た事か~!この悪ガキのバカのカスの豚ドモメ————ッ!」

 

 悔しかったので散々言ってやったったが、少しスッキリしたわ。



 だが、またしても酷い目に合いそうになった。

 椅子に座っていても体を揺らしたり、手足をバタバタ動かす。

 無意識のうちに身体が動いてしまうのよ。


 すると悪ガキたちに、休憩時間に羽交い絞めにされ、両手を後ろ手にして縛り付けられそうになった。


 私は完全にブチキレて、重くて堅い辞典を悪ガキの1人に思い切りぶつけたわ。

 すると頭に命中して悪ガキは思い切り大声で泣き出した。


「ワァワァ~~ン😭ワァワァ~~ン😭ワァワァ~~ン😭」


(フンいい気味だ!)

 この後先生から悪ガキと私はこっ酷く怒られたわ。

 


 また、私もどうしようもない子で、イヤな事もすぐに忘れて先生の授業も聞かず、よく居眠りしていたわ。

 全く困ったカレン。


「グゥ——グゥ———スゥ———スゥ———」

 

「カレンさん!カレンさん!学校は眠る所では有りませんよ?」


「ワッハッハーワッハッハー」


「ワッハッハー」

 またしても生徒達の怒号の様な笑い声が教室に響き渡る。

 

「勉強もしないで寝てばっかりで、給食の時間だけ楽しみって最悪、バカか?」


「本当にカレンは最低だな~」


 すると先生が注意をしている。

「もうそんなこと言っちゃダメです。お友達は助け合いましょう」

 

 すかさず言い返してやったわ❕😜「本当よ!フン べ——だ!」


 

 だが、この様な軽蔑と虐めの数々に、とうとう我慢できなくなり家に帰り母にぶちまけた。

 当然カレンも悪いのだが?悪ガキたちもやる事がえげつない。


「ワァワァ~~ン😭ワァワァ~~ン😭ママ男の子たちが、私を縄跳びの縄で柱に括りつけて両方から引っ張って締め付けた。ワァワァ~~ン😭ワァワァ~~ン😭……それからワァ~~ン😭ワァ~~ン😭椅子に縛り付けて手を後ろ手に縛り付け動けなくしようとしたワァワァ~~ン😭ワァワァ~~ン😭」


 

 ◆▽◆

 少女時代に「ADHD(注意欠陥・多動性障害)」の診断を受けたカレン。


 それは今に始まった事ではない。

 カレンは幼少期から同い年の子供達とは、次のような理由からかなりの後れを取っていた。

 *3歳になっても言葉が出ない

 

 *2歳上にも拘らず、妹ユリヤが出来る事が出来ず、同級生の子らとも遊ぶことが出来ない

 *目が合わない


 *名前を呼んでも振り向かない


 この様な事から、幼児期に心配した母親によって児童発達支援センター(精神障害児・知的障害児・身体障害児)に通わされていた。


「ADHD(注意欠陥・多動性障害)」とお医者様から聞いても「ああ!やっぱり?」

 そんな感覚しかなかった。

 

 母親は考えた挙句、その診断を受け、多動性障害特有の有り余るエネルギーのはけ口として水泳を始めさせた。


 すると何が功を奏するか分かったものではない。

 あれよあれよと見る見るうちに上達して、地区大会、県大会と優勝して行った。

 どこに隠れた才能が隠れているか分かったものではない。


 こうして災難続きだったカレンにも光明が差し始める。


 つづき



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