第2話 ぬいぐるみ
私は電気も止まったこの部屋であなたに電話を掛ける
気が付けば真っ暗な画面を見つめていた。
なぜだ。
充電もしたのに画面が真っ暗になっている、なぜだ。
電気の引き落としの通帳の残高が無くなっていただけだった。
それでも気の滅入っていた私は
早朝こっそりと誰にも見つからぬよう
アパートから逃げ出した。
悲嘆にくれた私はきっとあの桜の木の下で倒れて死ねる。
神様は私に慈悲を授けて下さる。
車窓の飛ぶような景色を見ながらバッグを握り締める。
母に借りていたぬいぐるみが腕に触れて存在を思い出すと
耳の生えた頭を一つ撫でた。
実家に帰ろう。そう思った
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます