第8話 いきどおり
この時より諸国に早馬が駆け巡る事となった。
先ず始めに
戦いの中、唯一1人生け捕りにした少女の
その処置を任され、危険極まりない少女をしっかりと閉じ込めておいたはずだった。なのに、
(どういうことだ。あれは
驚いたのは
実弟とは言え、その力量の無さに領地の端にあるどうしようもない城をあてがわれ、自分を世間から追いやるようにし、更に今まで一度としてこの城を訪ねてきたことの無い実の兄が恐ろしい顔をして今、ここにいるのだ。
「な、何事ですか? 兄上」
「何事ですか、だと? ふざけるな! 貴様、
「こ、
視線をそむけ、話をはぐらかそうとする
恐る恐るその書状を受け取り内容を見た
「ま、まさか。まさか、あの男が
その様子を見ていた
「
「も、申し訳ございません!」
震えながらその場に土下座した
「
「……」
「この期に及んで言わぬと言うのか? 愚か者が! 無言も答えじゃ!」
「只でさえ使えぬのに、小娘一人、監禁し、監視する事すらできぬのか!」
「あ、兄上、お許しを! まさか、あの者が
「貴様……、その口振り、逃げられた、解き放ったという類ではないのだな? さては売ったのか、
「うっ」
「なんと言う愚かな!」
「し、しかし! あの娘の身柄は私に預けると」
「馬鹿者め! 誰がお前の好きなように扱えと言った! 預けるとは言うたが、危険極まりない娘ゆえ、監視を怠らず、監禁し、決して解き放つなと付け加えたはずじゃ。わからぬのか? あの者はあの年齢にして
「うぅ……」
蹴り飛ばされた先で、頭を抱え込んでうずくまる
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