第7話 でんれい
「
襲われた際わざと1人逃した後、街道を通らず、少し山の中に入った獣道を歩き、途中に見えた川で返り血を洗い流すための水浴びをしながら
「そうだな。どうやら俺の存在がばれているようだからな」
「似顔絵の事か? あれ、似てない」
「ハハハ! 確かに。だが、その似ていない似顔絵で俺に辿り着いた奴が居るのは事実だ」
「アレ、本当に似てない。訂正してやらないと」
「ふむ、なるほど。そうだな、折角だから会いにいってやるか」
「さっきの男が言ってたヤツか?」
「そうだ」
「だが、前に
「あぁ、俺が狙うのは当時、
「
「
「殿! 早馬の伝令でございます!」
「ん~、早馬? なんじゃ?」
「申し上げます!
その声に、女に膝枕をしてもらい、その女の尻を撫でて寝転んでいた
「なんだと!」
「1名を残し、その他、全員返り討ちに合って果てたとのことでございます!」
「な、何? 1名を残し全員だと? ならず者とはいえ、かなりの手練れだったはず、まことか?」
「はい、生き残りを始末した者からの伝令で事実のようです。殿、いかがなさいますか?」
「直接聞く、ここへ通せ」
「はっ、すぐに!!」
襖の向こうで報告していた者が足早に廊下を去り、
(どういうことだ。あれだけの手練れと人数が1人を残して全て返り討ちだと? たかが若造1人であろうに……)
頬杖を付いていた小指の爪をギリリと噛んで
「殿、お連れ致しました」
「うむ、入れ」
襖が開き、1人の男が入ると、廊下に残ったあとの2人が襖を閉じた。
部屋の中に入った男は襖を入ってすぐの所に座り、深く頭を下げる。
「挨拶は良い。お前は詳しい状況を知っておるのか?」
「はっ、遠目ながら一部始終を見、生き残った1人に詳しく事情を聞きましたゆえ」
「よし。では話せ」
部屋に通された男は自分が見た戦いの様子を事細かに
「……
「はい、多少焦点があわず、狂っている様子ではございましたがハッキリと。光の
「何と言うことだ。あの
「私も遠目で見ておりましたが、青年と少女だけの二人組みでございました。青年は
(少女だろうが何だろうが、
頭を両手で抱え、震える
(
顔を上げた
「早馬を用意せい!
「ははっ!」
廊下に居る二人のうち、一人が返事をして頭を下げ走って行った。
「早馬にて行ってもらいたい場所がもう一つある。今からしたためる二つの書状を持って先に
「かしこまりました」
家来の男が跪いて頭を伏せると
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。