第8話 買い物

 

 今日は昼から冬華の必要な家具とかを買いに行く予定だ。

 居候にここまでしてやる必要はないかもしれんが、さすがに女子だからそこら辺は配慮してやらんとな。

 まあとにかく、俺たちは今、あの激安の殿堂ドン・キ〇ーテに来ている。


「ねね!なに買うの?」

「んー、そうだな……まずは布団と、寝間着とか生活用品だな、ヘアアイロンとかいるか?」

「えっ、買ってくれるの?ちょーうれし!」

「そーかそーか、出来るだけ安いので頼む……」

「分かってるってー!」


 本人は分かってると言っているが本当に分かっているのだろうか。

 まあ、今日は多めに持ってきてるし大丈夫だろう。


「おい、早く行くぞ」

「はーい!」


 そう返した冬華はとてとてと走ってきて、俺の右手を掴んだ。

 ………は?何してんだこいつ。

一瞬冬華が何をしているのか理解が追いつかなかった。


「おいっ、何してんだよ!」

「えー、だってこっちのがいーじゃん。離したら迷子になっちゃうよ?」


 冬華はにししと、小悪魔のような笑みを浮かべた。

 理由子供かっ!

 まあ、俺も悪い気はしないから離さないが。

 やっぱり、女の子の手ってやわらくて温かいな。

 っと、こんなとこでいつまでも手をつないでるわけにはいかんな。


「そろそろ行くぞ、冬華」

「はーい、」

「まずは小物だな。何が必要だ?」

「んとね……ヘアアイロンとー、シャンプーとかかな」

「それだけでいいのか?」

「うん!十分だよ!」

「そうか」


 意外と遠慮を知っているらしい。

 しかしまぁ少なすぎでは?他にももっといるだろうに。

 まあ、余ったら買ってやろう。

 その後ヘアアイロンとシャンプー等を選び、後は布団を選ぶだけとなった。

 ヘアアイロンもあまり高くつかなかったし、布団は良いのを買ってやろうかと考えている。


「冬華、金はまだあるし少し高めの奴を買ってもいいぞ」

「うん!わかった!」


 その後冬華は布団を次々に撫でたり押したりして感触を確かめていっているいるようだった。

 すると急に「よしっ!」と声をあげた。


「それにするのか?」

「うんっ!これがいいっ」

「そうか、じゃあ後は掛け布団とシーツだな、これは俺が選んどくから」

「りょー!」


 りょー!って、やっぱりギャルだな。

 そう考えているうちに冬華はいなくなっていた。


「さてと、布団選ぶか」


 なぜ俺が選ぶことにしたかって?簡単だ、冬華は遠慮していい奴を買おうとしないからだ。

 結局さっきの敷布団もあまり高くないのを買ってたし、意外と遠慮と言うものを知っているやつだった。

 それに布団にケチる意味は無いだろうし、もしかしたら、これからずっと使うかもしれないしな……、とにかく、いい奴を買うに越したことはない。


 一通り見たがどれがいいかさっぱり分からん。

 やっぱり素人にはどの羽毛が良いとか分からんしな。

 結局俺は選ぶのをあきらめて一番高い奴を買うことにした。

 て言うか普通にめっちゃ高いじゃん。

 ああっ、諭吉さん……さようならっ!

 さて、そんな茶番は終わりにして早く冬華と合流しよう。


 その後、なんとか合流出来た俺たちは会計を済ませて店をでた。

 諭吉さん、また会える日を楽しみにしています!


「ねーねー、早く帰って布団敷こーよ、アタシ早く寝てみたい!」

「そうだな、じゃ帰るか」


 そうは言ったものの………、重い。

 布団って意外と重いな、普段運動しないのも祟って腕がちぎれそう。やばい。

 そんなヤバそうな俺を見て心配してくれたのか冬華が声をかけてきた。


「大丈夫?一個持とうか?」

「大丈夫だよ、こういうのは男の仕事だろ」


 なんて…カッコつけてみたものの、今すぐにでも持って貰いたいくらいだ。

 その後なんとか家に辿り着けた俺は玄関に倒れ込んだ。


「わっ、どうしたの?」

「疲れた……死ぬ」

「あははっ!無駄にカッコつけるからでしょ!」


 冬華は疲れきった俺を見てゲラゲラ笑ってやがる。

 てか、カッコつけたの気づかれてるし、何か恥ずい。

 まあでも、布団も買えたし今日からは身体が痛くならなくて済むな。

 てか、冬華のやつ笑いすぎて過呼吸気味にまでなってるし、ツボが良く分からん。


「いつまで笑ってんだよ!早く入るぞ」

「あはっ、はっはっ、ふー……。はーい」

「………よし、布団敷けたぞ、寝てみろよ」

「あいあいさー!……ふー、きもちー。掛け布団超ふっかふかなんですけど!」

「そりゃそうだろうよ、何たって店のなかで一番高い奴を買ったからな」


 そう言って俺はドヤった。

 そしてそんな俺を見て冬華は少し申し訳なさそうにしている。

 遠慮する事ないのに、俺が選んだんだし。


「いいんだよ、俺がこれにしたかったから」

「そっか、へへっ、ありがと!」


 冬華はまた眩しい笑顔を見せた。

 やっぱり……、可愛いなぁ。


「あと、今日楽しかったね!新婚夫婦みたいで面白かったし!」



「なっ、あほか!なに言ってんだよ、まったく……」


 呆れる、俺のタイプはもっと可愛い子なんだよ。


 さて、今日は疲れたし、もうご飯食べて寝るか、まだ17時だしちょっと早いけど、たまには規則正しい生活もしないとな。



♢♢♢


 風呂に入り、ご飯を済ませ、寝る体勢に入った時の事だ。


「おい冬華、早く自分の布団に戻ってくれ」

「別にいーじゃん、美少女が隣で寝てあげるって言ってるのにひどいなー」


 そう、この女高い布団を買っておいてそっちで寝ずに、俺のベッドに潜り込んで来やがるのだ。


「せっかく布団買ったんだがら使ってくれよ」

「むー、そうだけどさー。この時を逃したらもう一緒に寝てあげないよー?」

「べ、別に一緒に寝たくねぇよ」


 そう言った俺を冬華はほんとにー?と言ってツンツンしてくる。


「本当だから早くもどってくれよ!」

「しょーがないなぁー」


そこてみやっと冬華が自分の布団に戻ってくれた。

……はぁ、やっと寝れる。

今日はちょっと疲れたなぁ、特に布団が重かった。

明日は学校だし、早く寝ないとな。

……あれ?そういえばあいつ学校どうするつもりなんだろうか、荷物何も無かったきがするんだがな。



………まぁ、いっ……か――――。




 そうして俺は眠りについた。






***

連日、あまり伸びが良くないです。

このままでは☆が少な過ぎて作業効率が上がらない気もします。

なので、この作品をもっと読みたい方!

☆☆☆を下さいな!

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