第126話 早速出発のようだ
「フフフ・・村上君、彼女は緊張しているようだ。 ま、座ってくれたまえ」
俺と日置さんは向かい合って座っている。
「村上君・・まずは来てくれてありがとう。 早速だが、本題に入ろう・・」
・・・
・・
段議員が言うには、アメリカのダンジョンの調査にこの女の子、日置大和さんと一緒に行ってもらいたいという。
俺的には特に問題はないが、それにしてもおっさんがこんな女の子と行動を一緒にするって、大丈夫か?
それに、重要な情報がところどころ散りばめられている。
依頼してきたダンジョンだが、1度調査が失敗したという話があった。
そんなに深いダンジョンなのかと俺は思ったが、どうやらそうでもないらしい。
とにかく現地に行ってみてもらわないと、よくわからないという。
なんか、行き当たりばったりだよな・・大丈夫か?
「段議員・・私たちが危険と感じたら、命を優先して退避してもいいですか?」
俺は確認をする。
「フフ・・無論だよ、村上君。 今回の依頼というか尻ぬぐいというか、妙なタイミングで案件が来たのだ、取りあえず出席だけしておけば問題ないという立場だよ。 それだけで国としてのメンツは守られる。 ただ、中途半端なレベルの人を派遣すると、こちらとしても困るからね」
「・・了解しました」
俺は返事をしつつ思う。
俺にとって、もはや国同士の問題など、どうでもいい。
ただ、俺の見知った人たちの安全が確保されれば満足だ。
○○ダンジョンを深く進めていくのも、急ぐ必要もない。
それに他国のダンジョンというのに興味があるのは事実だ。
また、これによって段議員に恩を売っておけるだろう・・というより、何か役立つだろう。
とにかく、自分の命を優先でというお墨付きをいただければそれでいい。
俺たちの出発は、準備が整ったのならいつでも大丈夫ということだ。
日置さんはすでに準備万端らしい。
俺も特に持っていくものもない。
そういうわけで、政府専用機の待機している空港まで送ってくれるそうだ。
サービス満点だな。
俺と日置さんは専用車で送ってもらった。
◇
<段議員>
ハヤトたちを見送ると、事務室で深く椅子に座る。
「ふぅ・・村上君、頑張ってくれたまえ。 何せ、あのヒーローのジョーですら失敗したと聞く。 アメリカとも付き合いを考えなければなるまい・・それには力が必要だが、まだ足りないな。 それよりも、日置家のじいさんは元気なようだな・・妖怪かね?」
段議員の言葉に秘書官が微笑む。
「先生、心苦しいですか?」
「いや、彼なら問題あるまい。 調査隊の人間も入れているし、東の連中も素直に政府専用機を貸し出してくれた。 アメリカとは揉めたくないようだ」
段議員が遠くを見つめる目線を作る。
秘書官は静かにコーヒーを淹れていた。
◇
<空港までの車の中>
俺は、こんな女の子と何を話していいのかわからない。
日置さんも黙ってぎこちなく座っている。
「へ、日置さん・・」
「は、はいぃ!」
いや、そんなに驚かなくてもいいだろうに。
「確か・・調査隊で会ったよね?」
「は、はい、坂口団長に紹介されました」
「う、うん・・よ、よろしくね」
「は、はい、よろしくお願いします」
・・・
会話が終わってしまった。
妙に気まずい雰囲気を車内で俺は作ってしまったらしい。
◇
<日置大和>
車の座席に座っている。
弓道の呼吸をして落ち着けようと必死だ。
キャー・・男の人と2人で車に・・いや、運転手がいるけど、私の座っている空間には2人っきりよ。
挨拶されたけど、どうやって返せばいいのよ。
わからないわ。
同級生とかなら、こんなに緊張しないはず。
でも、この人、前に調査隊で見たときに私のナビさんが教えてくれた。
とても不思議なナビを持っていると。
坂口団長も凄いナビさんを持っているって言ってたけど、タイプが違うみたい。
ど、どうしよう・・何を話せばいいのかしら?
ナビさんはさっきから返答してくれないし・・。
あぁ・・私の心のナビゲーションをしてよぉ~!
ヤマト
レベル:30
HP :500/500
SP :534/534
力 :375
耐久 :506
敏捷 :580
技能 :582
運 :63
スキル:アルテミス4
一射絶命☆
月下美人4
◇
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