第27話 坂口恭二
社会人といっても会社に属してはいない。
ほぼフリーランスのような形だ。
いろんな仕事やお手伝いをこなして行く。
完全に育った地域に根付いた、新しい働き方だ。
就活などは全くしないし、興味もない。
また、見た目も同級生の由美などに言わせればイケメンらしい。
・・
キョウジにはどうでもいい。
それよりも自分の住む町に協力したい。
そういう思いでいろんな仕事を手伝う。
そんな仕事をしながら、手取りのお金は20万/月くらいはあるだろう。
さて、キョウジは子供の時から空手を学ぶ。
小学生の時に日本3位となったのを契機に、いろんな武術をその身で学習していった。
今はどの武術が基本なのかわからないが、本人は忍術などと呼んでいる。
そして日々、己の修行、身体も心も怠ることはない。
キョウジは山に入って行く。
「ナビさん、強い獣はどの辺りにいるのかな?」
『はい、大きいイノシシが3匹ほど点在していますね』
「ありがとう。 その後はダンジョンかな」
『はい、その方が良いかと思います』
すぐにイノシシを発見。
キョウジのスキル『縮地』でイノシシとの距離を詰める。
野生のイノシシだが、気づかれる前に1匹はキョウジの手刀で倒れていた。
近くにいた1匹は仲間が倒れたのに反応するも、即座に討伐される。
後1匹は、おそらく自分でも気づかないうちに倒される。
「ふぅ・・まさか人がこれほど強くなれるとはね。 後はいつもの位置においておけば、マタギのおっちゃんが運んでくれるはずだ」
キョウジは社会人なってから、山の手入れに力を貸していた。
猟師も最初は警戒していたが、キョウジの仕留めるイノシシやシカなどは状態が良い。
すぐに仲良くなった。
空手って凄いんだなぁって驚かれていたが、目の前で木を叩き折ったら何も言わなくなった。
『キョウジ様の基礎能力があってこそです。 ダンジョンに向かわれますか?』
「あぁ、そうするよ。 今日は仕事もないしね」
『わかりました。 近くの○○神社が良いかと思われます』
「あぁ、あそこか・・結構歴史がある神社なんだよな」
キョウジは何個かのダンジョンを回っていた。
『キョウジ様、私が言うのもなんですが、どうしてナビゲーションシステムなどをお選びになられたのですか』
ナビが聞く。
「ハハ・・僕って面倒くさがり屋なんだよ。 それにナビと話していると楽しいし、いろいろわからないこと教えてくれるだろ。 今では本当に良かったと思っているよ。 アメリカのあの超人とは比べる基準が違うと思うんだ。 きっと世界のどこかで僕みたいに単なる強さだけを求めてない人もいるはずだよ。 それに基礎能力が上がると、僕の格闘の技術も強くなってるしね。 十分だよ」
キョウジは笑顔で答える。
『キョウジ様、ありがとうございます。 間もなく到着ですね』
「ハハ・・ナビは本当に便利だね。 さて・・」
キョウジはナビの指示に従ってダンジョンに潜って行った。
◇
<ハヤト>
ダンジョン3階層。
鍾乳洞のイメージかと思っていたら、結構明るく感じる。
どんどん深くなるんじゃないのか?
太陽の光じゃないが、なんで明るいのだろう。
俺は辺りを見渡しながら思ってみる。
『ハヤト様、ダンジョンなんてそんなものです』
ナビが返事をしてくれる。
もう、俺の思考はダダ漏れだと思った方がいい。
さて、3階層で今日は帰ろう。
これってヤバいフラグか?
まぁ、ナビが言うには今の俺の力でも3階層は問題ないと教えてくれたが。
こうやって安全な階層を繰り返して強くしていくしかないだろう。
俺はそう思いながらもアメリカのジョーのイメージが頭に浮かぶ。
やっぱ、あの強さは圧巻だよな。
『ハヤト様、敵が来ます』
ナビの言葉に俺はスイッチを入れる。
ん?
俺は近づいてくる魔物を見る。
あれってオークじゃないのか?
さっきの階層ボスだろう。
「ナビさん・・あれって・・」
『はい、オークです』
「大丈夫・・だよな」
『問題ありません』
ナビは軽く答えてくれる。
オークが2体。
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