第2話
「ヒューヒュー、今日も見せつけてくれますなぁ」
昇降口で一旦
「なんの話だ?」
「アキ君おはよ!」
「
「いえいえ、トモ君にお世話になってるのは私ですよ~」
と、俺の言葉は無視されて話が展開される。
目の前にいるコイツの名前は
趣味が同じで結構な時間を共に過ごしたせいか、今では親よりもコイツといる方が落ち着く。
俺はそれくらい
「おいおい、俺を無視するなよ」
「ありゃりゃ、すまん。美人な
「人の彼女に向かって何言ってんだ」
呆れてため息が零れた。と言ってもこんな会話は日常会話みたいなもので、既にこの会話も何回かした記憶がある。
「ため息零すなって。登校中は周囲の目なんて気にせずラブラブだったんだろ?」
「別にそんなことねぇよ。な?」
恥ずかしくて嘘をつく。隣にいる
「私とトモくんがラブラブ……えへへ」
既に自分だけの世界に行ってしまったようだ。
「わかったわかった、認めるよ。ちなみに二時限目の英語で比較級・最上級の抜き打ちテストあるらしいぞ」
「え! 本当!? 私勉強しないと!」
こっちの世界に戻ってきた
「
「……あぁ、2日前に見た」
「これで本当にテストあったら
俺が『予知夢』を見るようになったのは約3ヶ月前の二学期が始まって少し経った辺りだ。
その日見た夢は、たまたま早起きして暇だった
いい夢を見たと思いその時は深く考えなかったが、数日後本当に
夢で聞いた会話も繰り返され、まるで同じビデオを見ていると思ったのを今でも覚えている。
もちろん偶然だと思った。しかしここ3ヶ月、不定期に『予知夢』を見ておりその内容が1週間以内に起こっているのだ。
抜き打ちテストのような『役に立つ予知夢』が見えたのは初めてで、いつもは登校や夕食、教室での何気ない会話など『どうでもいい予知夢』ばかり見ている。
「ふぅん。ちなみにテストの内容を覚えてたりは?」
「そう言うと思ってたよ」
期待に満ち溢れたような目をする
「ほんと不思議だよな。見た予知夢は全部覚えてるって。英語嫌いな俺でもスラスラと文章が書けたよ」
「なら夢の中で勉強すれば最強じゃね?」
「残念なことに明晰夢ではないから普通にしか過ごせないんだ」
もし夢だと分かっていれば嬉しいんだけどな。現実だと思ってるからいつも通り過ごしてしまっている。
「まぁいいや。にしてもその力が羨ましいよ。変な秘密組織とか、力を持った集団に捕まったりすんなよ」
「
こんな風にふざけてるけど、コイツは口が硬いし信頼できるので『予知夢』の件を相談した。
話せば相談に乗ってくれるし、『予知夢』のことを知っても今まで通り過ごしてくれているから本当に助かっている。
そこで本鈴が鳴り、
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