第3話

「昔話で聞いたことあるくらいだよなぁ」

「な、実際にいるんだな」

「マジすか」


こちら先ほどお会いした牛飼いの2人、体格は190センチ超えスポーツマン、顔は割と塩顔イケメン、ただし髪の毛は白銀に近い、そして長髪である。


異世界から飛ばされてきました、なんて元の世界で言ったら檻付きの病院に入れられそうである。飛ばされたのが寛容な世界で良かった。


「それで、時空のおじさんていう人を探してるんですが、知ってますか?」

「聞いたことないな、人族なの?」

「え、どうなんでしょう…?多分?」


時空のおじさんについて知ってることといえば、黒っぽい格好、割と小さい?とか書いていたような…?あ、もう一回ググればいいのか。

そう思った私はポケットからスマホを取り出し検索してみる。

「あんた、それ、なんだ?」

「携帯で検索を…」

「なんだその板、いきなり色がついたぞ?」

なるほど、スマホの文明はまだここにはないのか。

「スマートフォンって道具で、遠くにいる相手も同じの持ってたら話ができるものです。で、あーんと、辞書みたいなものがこの中に入ってて検索できるっていうか、この検索窓ってところに、じ・く・う・の・お・じ・さ・ん、って入れて虫眼鏡マークを押すと、、、この時空のおじさんについて知ることができます。えーと、小柄、作業着を着ている、ぶっきらぼう、あとは電話ごしに怒鳴られることもあるみたいですね。」

時空のおじさん、目があっただけでも元の世界に戻してくれる場合もあるのか、というか体験談が怖い世界しかないな、こんな平和な世界にこれて私がラッキーなのかな?それとも大きい国は戦争してたりするのかな?

スワイプしてさっき目を通したサイトをまた覗いていると横から視線を感じた。

イケメン2人がほー、へー、と表から裏からスマホを観察している。

「それは魔法とは違うのか?」

「ま、魔法?魔法使える人がいるんですか?!」

「人族にゃ珍しいが居ないこともないよな、水系統なら俺も使えるし」

そういうと、手をかざすと何もない空間に水の球がふよふよと浮き出した。

「うわーーー!!!すごい!!!魔法だ!!!」

IQ3くらいのそのままの感想を言ってしまった、でもすごい、すごすぎる、異世界にきたって感じ!どういう原理なんだろ、私にも出来るかな…

「なああんた、昼メシは食ったのかい?まだならうちに来るのはどうだ、軽くならご馳走するぜ」

「いいんですか?!助かります!」

山道を歩いたのと緊張とで喉が乾いた。ご飯をいただけるのならありがたい。


「で、その、代わりといっちゃなんだが、その光る板、少し見せてくれねぇかな…」

目を輝かせながら私が持っているスマホをずっと見ている。異世界に飛ばされて個人情報なんて役に立たないので快く貸すことにする。

「充電っていって、ここの数字が80ってなったら返してもらって良いてすか?」

一応ね、検索もできるし役に立つと思うので充電を使い切るのはもったいない。さっきから86%なのは変わらないけど、お昼ご飯と6%は交換だ。

イケメンさんに携帯を渡した途端色々といじっている。変な写真はない、と思いたい。もう1人のイケメンさんにつられるまま遠くに見える木でできた家に向かった。

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