13:圧倒されっぱなし③

———運命が左右される出来事だったかどうかは未来でしか分からない――—





◆◇◆

「急に大声出してどうしたんだよ」

「あっ二人共ごめん。たしか、祐哉ってカフェのバイトしてみたいって言ってたよね?」

「えっまぁ、、」

「私これ見つけちゃった!!」


そう言う有紗の後ろにあったのは……




アルバイト募集の貼り紙だった。

そこには……



❀✿❀

只今、アルバイト募集中!!

カフェでアルバイトをしてみたい方にピッタリ!

貴方との出会いを従業員一同、お花と共に歓迎します!


募集要項

✾お花が苦手でない方

✾やる気のある方

※初めての方でも大歓迎!


従業員数…7名

✾アルバイト希望者/質問がある方は

↓こちらまで

メール:emailcom.@087ran

ホームページ:http://www.homecom.flowercafe

電話番号:080-87-913

住所:〇〇県××市△△町□番地

            ◤Flower cafe◢

❀✿❀



「ほんとだ!有紗、ありがとう!!」


嬉しすぎて思わず有紗の手をギュッと握ってしまった。


「///別に……」


すると何故か有紗の顔がほんのり桜色に染まっていく。


(俺、何かしたっけ?)


その意味も知らない祐哉は一人、首を傾げていた。

一方、有紗はというと……


(この無自覚男めーーー!!!!)


と怒りに震えていた。

さて、取り残された一人は


「おーい!お二人さーん!!帰りますよー!俺だけ疎外感凄いんだけど!?何なの!?これ!?」


いつもと変わらなかった。


『はっ!』

「あ!やっと二人共気付いた!!ずっと呼び掛けてたんだけど?」

『ごめんっ!!』

「はぁー帰るよー」

『はいっ!!』

「ねぇ二人共、いつも通りにしてくれない?」

「ごめん」

「すまん、つい」

「じゃあさ、許してあげる代わりに、さっきのお詫びも兼ねて祐哉、あれ買ってよ」


そう言って陽輝が指さしたものは、タンポポ珈琲だった。


「わぁったよ。じゃ、買ってくる」

「えっ……祐哉だけじゃ悪いよ」

「有紗はいーの!こいつのせいなんだから!!有紗があーなったのは!」

「///何のことかしら?」

「いや、見てれば分かるから!!乙女の顔してたもんねww」

「そんな顔してた?」

「してたしてたwww」

「///コホンッま、そういうことよ」


こう有紗と陽輝がコソコソと話している間に祐哉が戻ってきたようだ。


「はい、陽輝」

「確かに受け取った!じゃ、許してあげる!!」

「サンキュ」

「よし!今度こそ帰ろー!!」

「あぁ」

「うん!」


帰り道、カフェでのことをずっと話していた。


「結局、祐哉はどうすんの?バイト」

「あぁ、あそこにするつもり」

「何で?」

「有紗、そこまで聞くかー?wwま、いいや。……雰囲気もいいし、料理も美味しいし、接客も良かったしで、全部良かったからだよ」

「確かにマジ凄かったよな!」

「うんうん!あそこのカフェ、また行きたいね!!」

「そうだな」

「あのさ、、今日、無理やり一緒に遊んじゃってごめんね」

「いや、大丈夫だよ。俺らも結果的に楽しかったし。」

「ほんと?それなら良かった!ありがとう!!」

『こちらこそ』

「まぁ、毎回付いてこられたら困るけどなww」

「もー!祐哉!!そんなことするわけないでしょ!常識は持ってますー!!」

「wwごめんって!」

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