14:高校生らしき三人組

Flower cafeのメンバー視点



✿ ✿ ✿

いつも通りカフェにいらっしゃるお客様を迎えていた。

そんな時、周りとは少し違ったオーラを纏った三人組がお客様としていらっしゃった。


『いらっしゃいませ!ようこそFlower cafeへ!!』


よく見てみると、高校生のように思われた。


「オーナー!あの三人組……コソコソ」

「ん?うーん。そうねぇ。ふふ」

「笑ってないでどう思います?」

「そうねぇ。_______じゃない?けど、お客様のことをそんなに見ていてはダメよ。店長さん?ふふ」

「あ!すいません!!以後気を付けます!!」


この会話はオーナーと店長だけにおさまらなかった。


「あのぉ、碧さん。あちらのお客様はどなたが対応されます?見たところ、新メンバーになりそうですよね?」

「さぁ、どうでしょー?でも、オーナーと店長も話し込んでるみたいだし。ま、花火ちゃんは気にせずにいつも通り可愛いお顔をお客様に見せたら良いよ」

「もぉ!先輩ー!!碧さん正社員なのにセクハラ紛いのこと言って!クビにされますよ?」

「えっ!俺、花火ちゃんからそう思われてたなんて……悲しいんだけどー」

「・・・。あっ、接客に戻りますね」

「ごめんって!許して下さい花火さまー!!」

「もうやめてください!!私はただのバイトなんですからそんな風に言わなくても……」

「許してもらえるの?!やったー!!やっぱり花火ちゃんは可愛くて優しいねー!!」

「はぁ……やっぱり前言撤回で」

「ぴえん」

「・・・。では」

「ぴえーん」


高校生らしき三人組に頼まれていたスイーツや飲み物を届けると、好評だったようでカフェのメンバーは嬉しがっていた。

その後、三人のうちの一人がカフェのバイトに憧れているとか、憧れていないとか。

少なくとも、募集の貼り紙を見ていた様子を見ると、カフェのバイトを悩んでいるようにも思える。

お客様である高校生らしき三人組がお店を出ると、一斉に


『この人だ!』


と叫んでいた。(勿論他のお客様がいない所で)


「絶対いい!これは売り上げが伸びるよ!!」

「藍羅さん、まだ決まったわけじゃないでしょ?」

「うぇー、、碧」

「うぇーって!ひど」

「てへっ?」

「そう誤魔化しても意味無いですから」

「テヘペロ✩」


営業終了時間の18時になり、店内はあの三人組のことで話が盛り上がっていた。


「あの子いい」

「うんうん!うちに来てくれないかなぁ」

「バイト―!!」

「メンバー増える!?やった!!」

「また増えんのかよ。こいつら二人だけでも手一杯なんだけど?」

「こらこら朔くん、そんな事言わないの」

「うぃっす。海華店長すんません」

『オーナー!!どう思いますか?』


というような会話もありつつ、やはりここは仲の良いメンバーたち。

一斉に言った。


「ふふ。皆仲良いねぇ。そうねぇ。___じゃない?でも、どうだろうね」


今日はこれでお開きとなった。







オーナーの言った___じゃない?

この言葉はまさにその通りだったと一週間も経たずに分かる事となった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る