残念なラブコメ(その3)「熱心なファン」(前編)
私の名はオキル。
演劇大好き!サークル期待の星な、女子大生やってます。
目下の目標は、「素敵な彼氏が欲しい!!」です。
さて今回は、これまで話には出ても取りあげていなかった、私の所属する演劇サークルについて。
うちのサークルは、大学内で定期公演をやる他、地元のちょっとしたイベントに呼ばれることもあります。演技自体は学生レベルを抜けないかもだけど、学内や地元ではそこそこ有名なサークルかな。
そう言った事もあり、役者を演じることが多い一部には、ファンクラブやそこまではいかなくても、なかなか熱心なファンがいたりします。
かく言う私も、自慢する訳じゃないけれど、その一人。
大好きな演劇は、私が今一番、一生懸命やっているもの。それが伝わっていると思うと、ファンがいてくれるのは素直に嬉しいかな。
私のファンは男性が多いけど、女性の方も結構いる。
・・・うん、以前見かけた「とある彼氏持ち女の人」も好意的だったし、いい事だよね・・・ぁ、ちょっとだけ、トラウマった・・・
ちなみに、ファンとの個人的なお付き合いは、サークル的には特に禁止されていない。
・・・まぁ、演劇に真面目なサークルなので、あからさまに「モテたいのでサークルやってます」みたいな人は、流石に注意されるけど。
でもまぁ、ファンになると言うことは、少なくとも近い感性や好みを持っているという事。なので、そこから恋愛対象に発展したとしても、おかしい事ではないよね?
実際にカップルになってる人も何人かいるしね。・・うう、羨ましい。
ファンの人は、「頑張ってください!」とか応援してくれたり、差し入れみたいなちょっとしたプレゼントをしてくれるタイプの方が多い。こちらもプロじゃない学生だから、これが普通かな。
でも中には、「ファンレター」や「ちゃんとした贈り物!」を贈ってくれる方もいる。
私のファンの中にも、熱心にファンレターを贈ってくれている方がいる。「面白かったです!」「次も楽しみにしてます!!」といった、ストレートな文面が多い。言葉はありきたりかもだけど、一生懸命応援してくれているのを感じられる、大事なファンの一人です。
ファンレターに名前は書いてないし、そもそも自分のことはほとんど書いてくれない方なので、どんな人かはわからない。文面や字からすると、男性で結構若いかな?
そんなある日、届いたファンレターにこう書いてあった。
「いつもは実際に会って話す時間は無いのですが、次の公演の後はお話が出来そうです!今から緊張しますが、是非会ってお話させてください!!」
急展開だ!!
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