結婚式(凛の話)

理沙ちゃんとまっつんさんの結婚式が始まった。両家の席には、たくさんの人が座っていた。


パパパパーンーー


パイプオルガンの音色と共に理沙ちゃんが入ってきた。


「龍ちゃん」


「綺麗だなーー」


「うん」


私と龍ちゃんは、理沙ちゃんを見つめながら泣いていた。


私は、まるで娘を送り出す、母親の気持ちだった。


挙式が終わり、外に出る。


私達は、「おめでとう」と言いながら理沙ちゃんとまっつんさんにフラワーシャワーをしていた。


「素敵だったね」


「めちゃくちゃ素敵だった」


そう言って、龍ちゃんと二人笑い合った。


理沙ちゃんとまっつんさんは、いなくなって……。


私達は、披露宴の準備が出来るまで別の場所に行く。


拓夢がお母さんと話してるのが見える。


どうやら、披露宴には参加しないようだった。


「行こうか」


「うん」


私は、龍ちゃんと一緒に歩き出した。


「何か、不思議な気持ちだったな」


「私も同じだよ!娘を送り出したみたいなね」


「それ、何かわかるよ!幸せになって欲しいな」


「幸せに決まってるよ!二人は、幸せになれるの」


「そうだな」


理沙ちゃんとまっつんさんは、SNOWROSE がデビューしてから色んな事があった。


沢山傷ついてきた二人だから、幸せになって欲しい。


ううん。なれる。


暫くして、披露宴会場に案内される。


披露宴が始まった。


余興が始まると、智天使ケルビムが現れる。


「キャーー」


「ワァーー」


全員が、白いついたての向こう側にいる。


シルエットが浮かびあがっている。


「理沙さん、優太君、ご結婚おめでとうございます」


パチパチと拍手が沸き起こる。


「お二人のご結婚をお祝いして、曲を作ってきました」


そう言って、智天使ケルビムは歌い出した。


「あの日の事を♪君は覚えていますか?」


スクリーンに二人の写真がスライドされて流れていく。


あちこちから、啜り泣く声が響いている。


私も泣いていた。


生歌とスライド写真は、胸に迫るものがある。


「末永く、お幸せに……」


パチパチと拍手が終わって、次に現れたのはSNOWROSEだった。


「今回、まっつんに内緒で曲を作りました」


拓夢の言葉に、まっつんさんは泣いていた。


「知らなかったよ」


まっつんさんは、そう言っていた。


「サプライズは、しなくちゃな」


「そうそう」


かねやんさんとしゅんさんは、そう言って笑っている。


「じゃあ、聞いて下さい」


パチパチと拍手が沸き起こる。


「おめでとうってたった五文字を君に伝えたいんだよーー」


そう言って、拓夢はまっつんさんと理沙ちゃんへの想いを歌っていた。



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