ごめんね、理沙ちゃん…
私は、理沙ちゃんに引っ張られて行く。
「ごめんね、理沙ちゃん」
「何で、凛ちゃんが謝るの」
「だって…」
秋の空は、移ろいやすい。
ザァー
ザァー
「雨じゃん!パンケーキ屋さん行こう」
「うん」
そう言われて、理沙ちゃんとパンケーキ屋さんに急いだ。
「凛……」
その声の主を見つめた。
「傘、渡すよ」
拓夢は、そう言って車に傘を取りに行こうとする。
「理沙ちゃん、走ろう」
私は、理沙ちゃんの手を引っ張って走り出した。
「凛、待って」
拓夢は、驚いた顔をして私と理沙ちゃんを追いかけようとしてくるのが見える。
「凛ちゃん、急ぐよ」
理沙ちゃんは、そう言って私の手をしっかりと掴んだ。
「凛」
「星村先輩、出来ましたよ」
その声が聞こえて、私と理沙ちゃんはホッとしながら走っていた。
「はぁ、はぁ、はぁ。あー、パンケーキ食べ損ねた」
駅について、理沙ちゃんはそう言っていた。
「ごめんね、私のせいで」
「謝らないでよ!大丈夫だから」
そう言って、理沙ちゃんは、鞄からタオルを取り出して私の体を拭いてくれる。
「ありがとう」
「全然、使って!理沙は、もう一つあるから」
理沙ちゃんは、私にタオルを差し出してくれて私はそれを受け取って体を拭いた。拭きながら、私はある話をしていた。
「それって…」
「わからないけど、それはないと思う」
「そっか、そうだよね」
「絶対は、言いきれないけど…」
「でも、龍次郎さんはいいって言ったんでしょ?」
「うん」
「だったら、いいんじゃない!理沙が反対するような事じゃないと思うから」
「わかってる。でも、私、理沙ちゃんには話したかったの」
理沙ちゃんは、私の言葉に抱きしめてくれる。
「ありがとう、言ってくれて」
「うん」
「凛ちゃん、大好きだよ」
「私も、理沙ちゃんが大好きだよ」
私と理沙ちゃんは、離れて切符を買いに行く。
「こんにちはー。今忙しいですか?」
私と理沙ちゃんに、カーキのジャケットを着た男の人が話しかけてくる。
「えっ?」
私と理沙ちゃんが振り返ると男の人は、「これって、あんた等だよね?」と写真を二枚見せてくる。
「違います」
そう言って、理沙ちゃんは私を引っ張って改札を抜けてく。
「待って、待って、話聞かせてよ」
男は、そう言って私達を追いかけてくる。
「話し聞かせてよ!5分でいいからさー」
そう言って、私と理沙ちゃんは男に追いかけられる。
「ちょっと待ってよ!ねー、聞いてる。待ってよ、待ってよ」
男はずっと私達を追いかけてきて、ホームについた時だった。
「そう言うのってストーカーって言うんですよね?」
私と理沙ちゃんの前に、現れたのは…。
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