早くしろよ
「まあ、ギャラリーは多いにこした事はないからなー」
蓮見君は、そう言うと私の首に刃物を当ててくる。
「ほら、早くしろよ!歯は、たてるなよ。凛、好きだろ?これが、大好きだもんな」
ニタニタ笑う顔に吐き気がする。
「凛は、そんなの好きじゃない」
龍ちゃんが、少しずつ近づいてきてるのがわかる。
「はあ?凛、好きなのにあいつにはやった事ないの?可哀想だなー。だったら、目の前で見とけばいい」
頭を押さえつけられる。私は、抵抗する。
「いや、やめて」
「凛さんを離せ」
凛君は、蓮見君の足にしがみつこうとしてる。
「ふざけんな!」
蓮見君は、刃物を振り上げる。私か、凛君が殺されるんだ。それでも私は、抵抗する。
「だったら、二人とも死ね」
刃物が振り下ろされてくるのが、スローモーションに見えて、私は目を閉じる。
ドンッ…って音がした。
私は、ゆっくりと目を開ける。
「大丈夫か?凛?」
「龍ちゃん」
凛君が、必死で蓮見君の足を引っ張ったのと龍ちゃんがやってきたから驚いたのか蓮見君は、その場に尻餅をついていた。
「いてーな」
「お父さん、もうやめてよ」
蓮見君は、起き上がる。
「ふざけんな」そう言って凛君の足を刺した。
「うわぁぁぁ」
その光景に私は、驚いていた。
「何で?何で、そんな事するのよ」
蓮見君の娘が、泣き叫んでいる。
「凛、ほらするぞ」
蓮見君は、私と龍ちゃんに近づく。
「いや」
「はあ?俺とのセックスが一番好きだって言ってただろ?」
「言ってない」
「ふざけんなよ!こいつを騙して結婚したの忘れたのか?俺達、愛し合ってただろ!凛」
蓮見君は、そう言って刃物を振り上げる。凛君を刺したから、迷いがなくなった気がする。
「来ないで」
「ふざけんな」
蓮見君は、刃物を私に向ける。
「だったら死ねよ」
そう言った瞬間だった。
「お前みたいなやつが、凛をずっと苦しませてきたんだ」
あんまり怒らない龍ちゃんが、大きな声をあげる。
「はあ?苦しませてんのは、お前だろ?俺と凛の愛を引き裂きやがって」
「ふざけるのもいい加減にしろ!凛をどれだけ苦しませれば気が済むんだ!お前がいなければ、凛は苦しむ事はなかったんだ」
ターゲットが、私から龍ちゃんに変わったのを感じた。
「龍ちゃん、もういいから」
龍ちゃんは、ゆっくりと立ち上がる。
「蓮見、お前にずっと会いたかったよ!俺は、ずっとお前を殺してやりたかった」
「はあ?ふざけんな」
龍ちゃんは、蓮見君に自分から近づいて行く。
「やめて、龍ちゃん」
蓮見君は、刃物を龍ちゃんに向ける。
「いいこと教えてやるよ!凛はな、俺に抱かれるのが大好きだったんだ。俺と凛は相性がよくてな!凛は、1日に何度もやりたいって催促した」
そう言って、蓮見君は、おかしそうに笑ってる。
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