蓮見君の狂気…【カクヨム版】

「ガキは、大人しくそこから見とけ」


凛君にそう言うと、蓮見君は、私にさらに近づいてくる。


「凛しようか?」


「い、いや…」


私は、首を横に振る。


「じゃあ、あいつ殺していいの?」


そう言って、刃物を凛君に向けてブンブン振っている。


「駄目」


「じゃあ、言う事、聞こうね」


そう言って、私の髪を撫でてくる。


「やめて…」


「じゃあ、殺すよ」


「駄目」


「じゃあ、言うこと聞かなきゃ!わかるよな?」


「お父さん、それはもう犯罪だよ」


「うるせー。黙れ!お前が産まれたから、俺は結婚させられたんだよ!お前何か産まれなかったら、俺は今頃凛と…」


「いやー、やめて」


私は、蓮見君に腕を掴まれて叫んだ。逃げたいのに、腕を強く握りしめられている。


「やめろ」


凛君は、蓮見君に向かって叫んでいた。


「うるせー。テメーはそこで、愛する人がセックスしてんの見てればいいんだよ」


蓮見君は、そう言うと私に刃物を向けてくる。


「しゃがめよ」


私は、そう言われてゆっくりとその場にしゃがんだ。


「凛、好きだろ?早くしろよ」


そう言って、私に指示を出してくる。


「なあ、お前にいいこと教えてやるよ!凛はな、セックスが好きで好きで堪らない女なんだよ。これも、好きだったもんな?それに、俺とするの好きだったからな!ほら、早くしろよ」


「凛さん、しなくていい」


凛君は、私を見つめている。蓮見君は、今にも刃物を凛君に投げそうな勢いでブンブンと振る。


「早くしろよ!ほら、ベルトはずせって」


私は、蓮見君のズボンのベルトを外す。カチャカチャと音がする。吐き気がしそうなのを堪える。ゆっくりチャックを下ろす。パンツ越しにも、そうなってるのがわかる。龍ちゃんにも拓夢にも、ほとんどした事がないのに…。私は、またこの男にしなければならないのか…。そう思うとなかなかパンツを下ろせずにいる。


「早くしろよ、凛。好きだろ?俺の美味しくて好きだって、よく言ってくれたよなー。ほら、久しぶりだろ?嬉しいだろ?凛!早くしろよ」


私は、蓮見君のパンツをゆっくり下ろす。それは、私の前に現れる。吐きそうになるのを堪える。


「凛、早くしろよ!ほら…」


龍ちゃん、助けて…。


私は、それを手でそっと触る。


「手だけじゃないだろ?」


「凛さん、そんなのしなくていい」


「うるせーな、ガキは黙って見とけ」


蓮見君は、凛君に包丁を投げようとする。


「やめて、やるから」


「凛は、偉いな…」


すぐ近くにいる凛君と蓮見君の娘の顔が目に入る。私は、ゆっくりとそれを…。


「凛」


その声に、振り返った。


「ああ?誰だよ」


「俺は、凛の夫だ」


「はあ?誰が呼んだんだよ」


蓮見君の娘は、そっと手を後ろに回していた。


「凛ちゃん、今、優太が、警察呼んできてるから」


理沙ちゃんの声が聞こえてくる。私は、安心していた。

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