凛は、どうしたい?

「これは、俺の意見だから…。凛は、どうしたい?」


「私は、龍ちゃんと別れたくない」


「じゃあ、もう、この話はおしまい」


そう言って、龍ちゃんは私から離れて頭をポンポンと撫でてくれる。


「本当にいいの?」


私の問いかけに龍ちゃんは、よくわからない話をし始める。


「小学生の頃さ、俺、まこと回り道するのが大好きだったんだ。普通に学校に行ったら、10分でつくんだけどさ!それじゃあ、楽しくないからって俺とまこは30分以上かけて学校に行くんだよ!そしたら、いっつもギリギリについて」


「何の話?」


龍ちゃんは、私の言葉が聞こえないみたいに続けて話す。


「それでも、楽しかったんだよな!クラスメイトと喧嘩してどうしても学校に行きたくない日も、まこと回り道しながら行くと不思議と学校に行けたんだ。それで、喧嘩してた子に謝れたりもしてさ」


私には、龍ちゃんが何故、今、この話をしてるのかわからなかった。


「ごめん、ごめん。何が言いたいかわからないって顔するなよ」


龍ちゃんは、そう言って私の頬に右手を当てて涙を拭ってくれる。


「ようするに…。凛にとって、俺と生きてく為に回り道が必要だったって事だろ?」


私の目から、涙がボロボロと流れ始める。


「これから先、俺達は後3、40年いるかもしれないだろ!そのうちのたった数ヵ月や数年の回り道や寄り道に俺は怒りたくないって思ってる。それは、凛にとって必要な時間で…。凛を救ってくれた日々だったなら尚更だ」


「神様にでもなったの?」


龍ちゃんは、私の言葉に笑った。


「神様でも、何でもない。俺は、欲にまみれた人だよ!だって、どんな事があっても凛を誰にも渡したくないから…。俺はね、凛が絶対戻ってくるって信じちゃってるんだよ。ただ、それだけ何

だ」


そう言って、龍ちゃんは笑ってくれる。


「今、めっちゃキスしたいって言ったら怒る?」


私は、首を横に振る。


「よかった」


龍ちゃんは、そう言って優しく唇を重ねてくる。私は、わざと唇をゆっくり開くと龍ちゃんは優しく舌をいれてくる。私は、皆月龍次郎の妻でよかったと心底思っていた。


「久々過ぎて、興奮した」


「何それ?」


「凛、エロくなったよな」


「なってない」


「なったよ!凄い、艶っぽいって思った」


「もう、恥ずかしいから」


「恥ずかしがってるのも、可愛いな」


「お風呂入って、早く寝なよ」


「怒ったか?」


「怒ってない」


「早く寝るよー。じゃあ、風呂入ってくる」


「湯船いれる?」


「いや、いい」


そう言って、龍ちゃんは洗面所に行った。龍ちゃんが優しいから…。私、甘えちゃうんだよ。

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