広がってく虚無感…

「拓夢、どの写真がいい?」


まっつんに、そう言われて俺は相沢さんからまっつん宛に送られた写真を見つめる。


「これとこれとこれかな」


「オッケー。送るわ」


そう言って、まっつんは嬉しそうに俺に送信してくれる。


「俺、降りるな!」


「うん、お疲れ」


「ゆっくり寝ろよ」


「うん」


まっつんの最寄りの駅にいつの間にかついていたようだった。


ダルー。俺は、心の中でそう呟いた。


全部灰色みたいに思うぐらい空しさが胸一杯に広がってくのを感じていた。


明日も休もうかな…。最寄りの駅について、降りる。凛がいないだけで、何もかも真っ暗だ。心も頭も真っ暗で…。どうなったって構わないような気がした。どんな風に階段を上がってきたかわからなかった。気づいたら、家の近くの道を通っていた。


「凛」そう声に出すだけで涙が流れてく。


家に帰ってきて、鍵を開ける。


「ただいまー」

誰もいないの何てわかっていながら言ってみた。


凛と過ごした時間が、色濃く残るこの部屋を手放したら俺……どうなんのかな?


玄関の鍵を閉めて、洗面所に行く。まだ、凛の服が置いてる事に安堵した。


「つらー」


俺は、そう言って洗濯機に服とかを放り込んでいく。凛の服をとった瞬間。凛の香りがフワリと香った。


「凛、俺。無理かも」


泣きながら、洗濯機にいれた。スイッチを押して、俺は急いでリビングにいく。

スマホを取り出して、凛にメッセージを送った。返事が来る。

嬉しくて写真を送った。


画面を開き、発信ボタンを押そうとしてはやめた。凛に会いたい。凛ともっと一緒に…。


◆◆◆◆◆


昨日は、泣きながら寝ていたらしい。


「洗濯物干すの忘れた」


ダイニングで寝てたせいで、身体中が痛くて仕方なかった。仕事休もう。クダラナイ理由だけど、心が起き上がらなかった。


「うーん」


俺は、起き上がって仕事場に連絡した。「いいよ」普通にそう言われた。3日も休む事になってすみませんと告げると「夢の為に忙しいんだから頑張れ」と言われた。


さすがに、ずる休みだとは言えなかった。俺は、洗面所に行って洗濯機をもう一度回す。


「おしゃれ着ぐらいにしとこ」


おしゃれ着洗いに、設定して回す。


コインランドリーに凛の服持って行って駅で渡してあげるとかいいかもな!凛の事を思うだけで、虚無感が薄らいでいくのを感じた。


凛に会いたい。そう思うと止められなかった。洗濯が終わると俺は自分の服を干した。


ビニール袋に凛の服を入れてすぐに家を飛び出した。駅前のコインランドリーで、凛の服を回した。10分後には、完全に乾いていた。


行くか!俺は、服を持って電車に乗り込んだ。凛の住む駅についた。


電話しなきゃいけないよな!ホームに降りて、スマホを探す。ふと、アンジェロのパンの匂いがした。



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