手紙の内容

俺は、手紙を開いて固まっていた。


「終わったよ!拓夢?」


凛は、俺の顔を覗き込んだ。手が震えるのを感じる。涙が流れてくる感覚がする。


「拓夢……?」


「あっ、ごめん」


バサッと写真が落ちてきた。


「これって……?」


「まっつんのお母さんと俺だろ」


誰が撮ったかは、わからない。ただ、あの日の俺なのはわかる。


「二人で帰ってきたのを撮られてたの?」


「そうだろうな」


凛は、俺に写真を渡してくれた。


「誰が、そんな事?」


「さぁー?これでも、バンドは人気あったからだろ…」


俺は、手紙を机の上に置いた。


「メジャーデビューおめでとうございます。こんな日が来るなら、証拠は残すべきじゃないですね。星村拓夢さんが、女性問題でデビュー出来なくなるのを心配しています。早く不倫などやめて真面目になっていただきたいです。外でいちゃつくのはやめた方がいいですよ」


凛は、手紙を口に出して読んだ。


「読まなくていいよ」


「拓夢、震えてるの?」


凛は、俺の手を握りしめてくれる。


「ごめん。俺が、浅はかだから…。こんな事になったんだよな」


「この写真を週刊誌に売られたりするのかな?」


「わからない」


SNOWROSEより、凛を取ろうとしたから罰が当たったんだ。


「拓夢、震えてるよ。私のせいだよね…。こんなの…」


「違う」


俺は、凛を引き寄せて抱き締める。


「バンドより、凛を取ろうとしたからだよ。まっつんの母親との事を知ってる人がいるなんて思わなかった。だから…」


「拓夢は、何も悪くないよ」


凛は、俺の背中を撫でてくれる。有名になる事は、この先、俺をどんどん苦しめていくって事だ。


「俺のせいで、凛が酷い目に合うのだけは嫌だ」


俺は、凛の背中に回してる手に力を入れる。


「苦しいよ、拓夢」


「ごめん。愛してるよ、凛」


止められなくなって、凛の背中に手を入れてく。


「おかしくなるよ」


俺は、その言葉に凛の顔を覗き込む。


「おかしくなろうか?」


そう言って、ベッドのある部屋に凛を連れて行く。


「拓夢、愛してる」


「俺もだよ!凛」


俺は、凛をベッドに座らせる。


「凛、俺を食べてよ!俺も凛を食べるから」


「いいよ」


凛は、そう言って潤んだ目を俺に向ける。ずっと我慢していた気持ちを吐き出すように

凛の唇に唇を重ねる。


「拓夢、激しッッ」


「もう、無理」


俺は、抑えきれなくて凛に欲望をぶつけていた。今日だけでも、凛の綺麗さに目を奪われた人がいた。


今は、俺だけの凛だ。


凛を誰にも取られたくない。


旦那でもないくせに…。


凛の一番でもないくせに…。


それでも、俺は…。


凛を誰にもとられたくなかった。


「凛、それはもう」


「いいから、大丈夫だから」


凛は、もうそれを恐れていないようだった。優しく凛の唇が当たる。俺を傷つけないように、俺を怖がらせないように、優しくて丁寧にそうしていく。


「ヤバい、気持ちいい」


その言葉に、凛は上目遣いで俺を見つめた。

その眼差しに恐怖を感じなかった。

むしろ、幸せと快感がくっついた心地よさで!脳天まで、溶けていくのを感じる。


「凛」


俺は、凛の髪を優しく撫でる。


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