お前次第…【カクヨム版】

私は、蓮見君のお腹を蹴飛ばして暴れる。必死で、抵抗するけど、力ずくで押さえつけられる。


「うー」


唇を離された。


「はぁ、やめて、お願い、許して」


「素直に受け入れないなら、全部マスコミに売っちゃおうかな?俺さ、知ってるんだよ!ずっと、見張ってたから…。星村拓夢が、駅前で凛を抱き締めたのも!二人が手を繋いで歩いてるのも!全部、写真に撮ったんだよなー」


「どうして?」


「言っただろ?俺は、雇われてるって」


蓮見君は、そう言って私を見つめるとこう言った。


「お前次第では、写真を渡さないでやってもいいぞ!SNOWROSEの拓夢は、不倫なんかしていなかったって報告してやってもいいぞ」


「わかった」


拓夢を守りたかった。


「賢いなー。偉いじゃないか!旦那にもバレたくないもんな」


龍ちゃんに、ここにいるのもバレたくはなかった。


「さあ!始めようか!凛」


そう言うと、蓮見君は私のブラウスを引きちぎる。ブチンとボタンが弾け飛んでいく。私の心も弾け飛んだ気がする。


「ハァ。久しぶりだなー。これだよ。これ」


そう言って、ブラジャーをずらされると胸にキスをされる。やっぱり、嫌。気持ち悪い。耐えられない。


「やめて、お願い。やっぱり、無理。これだけは、やめて」


「じゃあ、凛の近所に配ろうかなー。SNOWROSEの拓夢と抱き締め合ってる写真」


そう言うと、蓮見君はポケットから写真を取り出して私に見せる。


「抱き合う時は、ちゃんと周りを確認してからにしないとなー。せっかくだから、皆月龍次郎の実家にも送ろうか?」


「やめて…お願い。龍ちゃんを傷つけないで」


「はあ?傷つけてんのは、お前だろ?」


「許して」


「許すわけないだろ!不倫なんかしてさ!何、抱かれてんだよ!皆月龍次郎と結婚したのだって、俺は許してないんだぜ!いっそ、殺すか」


私は、その言葉に寒気と吐き気がする。


「やめて!龍ちゃんには、何もしないって約束だったはずでしょ?」


「そんな約束したかなー?」


「したでしょ」


「だったら、セックスさせろよ!凛」


「いや、やめて」


「妊娠しない女なんだから、いいだろ?」


私は、口を押さえられる。


「うー、うー」


やめて、いや、離して、叫んでるのに、言葉にならない。蓮見君のそれを感じ始める。気持ち悪い。

やめて…。


「ハァ。いいね!凛!俺は、お前で毎晩してたよ。あの写真覚えてるだろ?それで、毎晩だよ。この匂い、その目、この肌、ゾクゾクするよ」


蓮見君は、私の耳に顔を押し付ける。気持ち悪い。離れて。


見ないようにして、横を向くと拓夢がいた。


拓夢は、しーと中指を唇に当てた。私は、目を伏せる。


「スーハー。凛、いいだろ?」


よりそれを感じる。ズボンを脱いだの?


「ハァ」


ドサッ……。拓夢が、蓮見君を床に落とした。蓮見君を追いかけようとする拓夢の腕を私は掴んでいた。

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