過ぎ去る日々と蓮見君
私は、拓夢との時間を楽しむ事にした。その間も、龍ちゃんとはメッセージのやり取りはしていた。
ブブッ
【今日、凄い雲見つけたから写真送る】
そんなメッセージが、やってきたりもしていた。私は、龍ちゃんの事を考えずにいた。突発的に家を飛び出した。板東さんに何か言われてないかな?今になって、冷静になった私は、やっと龍ちゃんの事を考えるようになっていた。
「卵買いに行かなきゃ!」
やる事をやって、家を出る。スーパーで、晩御飯の食材と卵も忘れずに買った。私は、拓夢の家に帰る。ついて、鍵を開けようとした時だった。誰かに腕を掴まれる。ビックリして、卵の袋を落としてしまった。
「久しぶりだな!凛」
その声に、驚いた。私は、必死でドアを開ける。
ガンっ…
「冷たいなー、凛」
玄関で、晩御飯の袋を落としてしまった。
「来ないで」
「凛、何でそんな事言うんだよ」
私は、蓮見君から逃げる為に靴を必死で脱いだ。
「凛」
「来ないで」
鞄を投げつける。蓮見君は、ニタニタ笑いながら近づいてくる。
「静かにしなきゃ!近所迷惑だろ?」
「いやー、来ないで」
キッチンに、走って向かってもついてくる。ダイニングの椅子を倒してダイニングを押そうとしたけど、その前に蓮見君は私の手を掴んだ。
「大人しくしろよ、凛」
「やめてー、離して」
私は、蓮見君の手を必死で振りほどいてトイレに走った。鍵をかけて、閉じ籠る。
「開けろよ、凛」
ガチャガチャとドアノブを触られる。
「何でいるの?」
「雇われたんだよ!なあ、開けろって」
「いや、帰って」
「SNOWROSEのボーカルなんだって!凛が不倫してる相手」
その言葉に、私は固まっていた。
「メジャーデビューなくなるかもなー。不倫なんてバレたら終わりだよなー。それに、凛が叫んでたらDVだって叩かれるかもな」
私は、その言葉に鍵を開けていた。
「素直にならなきゃなー」
鍵の開いた音を聞いた蓮見君は、トイレのドアを開けてきた。
「どうして?」
「だから、言っただろ?俺は、雇われてるって」
「誰に?」
「そんなのどうでもいいだろ?」
そう言って、腕を引っ張られる。
「ここが、寝室かー。久しぶりにしようぜ」
私は、首を横に振った。
「旦那に、ここにいるってバレてもいいのか?」
その言葉に、心臓がズキズキする。
「私を脅すの?」
「セックスさせない悪い子は、そうなるよなー」
ニヤニヤと笑いながら、拓夢と愛し合ったベッドに連れて行く。やっぱり、したくない。
「離して、やめて、やっぱりいやー」
私は、そう言って抵抗する。
「うるせーな」
意図も容易く、私は、ベッドに押し倒された。
「やめてー」
「黙れよ」
そう言って、無理矢理キスをされる。
「うー、うー」
気持ち悪い。嫌。
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