どうするか…
メールを作成する画面を開く。やる事を整理しながら、そこに入力する。
まっつんに平田さんに会わせてもらうだろ。それから、平田さんに蓮見の娘に会わせてもらって、蓮見の娘に会ってから、蓮見に会わせてもらう。それが全部終わったら、凛の旦那さんに会いに行く。入力をし終わって画面を見つめる。
「とりあえず、撮影終わってからになるかー」
明日から、会社に出勤のせいで、動けるのが、撮影終了後しかなかった。
ブー、ブー
「はい」
『もしもし、相沢です』
「はい」
『撮影場所と時間、メッセージするから、みんなに送ってくれるかな?』
「はい、わかりました」
『それじゃあ、よろしくね』
「はい」
『じゃあ、また会えるのを楽しみにしてるね』
「俺も、楽しみにしてます」
相沢さんからの電話が切れて、すぐにメッセージがやってきた。俺は、それをコピーしてみんなに転送した。
俺は、チーズを取り出して食べる。凛が、何日も帰らなければ旦那さんは心配するんじゃないだろうか?夫婦関係が終わってしまったら、どうしよう…。もし、離婚になったら、俺のせいだよな。
俺は、ビールをゴクゴクと飲む。凛が欲しいけれど、旦那さんと凛を無理矢理引き裂いてまでは欲しくはないのをハッキリと気づいた。もう、何度も凛を抱いてしまった。その事に、後悔はしていない。今だって、そうなりたいって思う自分もいる。
「あー」
俺は、頭をぐしゃぐしゃと掻いた。
「駄目だ、駄目だ」
ビールを飲んで、缶から残りを注いで、また飲んだ。立ち上がって冷蔵庫から、またビールを取り出す。
「煩悩よ、消えろー」
俺は、自分に暗示をかけながらビールを飲む。今、俺が出来る事は凛と旦那さんに幸せになってもらう事だけだ。もし、凛が旦那さんと別れる事になるなら俺が責任とる。
俺は、ビールをぐっと飲み干した瞬間、視界がグニャリと歪んだ。
どうやら、飲みすぎたみたいだった。動く気もおきなくて、机に頭を置いて目を閉じた。
◆
◆
◆
いい匂いがして、俺は目を開けた。スマホを見つめると、夜の九時半だった。どうやら、二時間はは寝ていたらしい。
「う、うーん」
「起こしちゃった?」
凛は、テーブルの上を片付ける手を止めて、俺の顔を見つめてくる。
「起きてたの?」
「うん。一時間前ぐらいに、ロールキャベツ作ってるんだけど」
「食べる」
俺は、そう言って笑った。
「よかった。じゃあ、もうちょっと待っててね」
「うん」
凛は、そう言ってキッチンに向かった。旦那さんに連絡したのかな?俺は、立ち上がってトイレに行く。
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