いいよ【カクヨム版】

まだ、グラスに残っていた水が少しだけ体にかかった。俺は、凛からコップを取り上げてサイドテーブルに置いた。

凛は、俺の体にかかった水を見つめる。


「凛?」


「いいよ」


そう言って、上目遣いに俺を見つめる。我慢出来なくなって、凛をベッドに倒した。凛は、俺の頬に左手をゆっくり当ててきた。俺は、その手を握りしめる。


「凛、どうして欲しい?」


「頭の中をセックスだけで埋め尽くして」


「赤ちゃんを消したい?」


「うん」


凛は、そう言って泣いてる。


「してあげる」


俺は、そう言って凛の唇に手を当てる。


「凛」


俺は、凛の体にれる。


「拓夢」


凛の左手が俺のそこに触れる。


「凛」


「拓夢」


ゆっくりと触ってくるから、俺も凛のそこに手を持っていく。


「んっ」


頭の中は、凛をどう喜ばせるかともっと触れたいことばかりを考え始める。


「真っ白になろう」


「うん」


俺は、優しく触れる。


「ハァ」


凛が俺を見つめる。


「気持ちいい?」


「うん、拓夢は?」


「もっと、こうして」


俺は、凛の手を右手で包み込んだ。


「こう?」


「そう」


凛がれてくれるだけで、頭が痺れてくる。バンドの事とかもう考えていなかった。絶望とかなくて、ただ凛とセックスしたいしか考えていない。


「凛」


「いいよ」


俺は、サイドテーブルにある避妊具をとる。凛は、ゆっくり手をはずした。付ける間の時間が嫌いだったりするけど…。でも、避妊は絶対だから…。もしもがあるかもしれないだろ…。それに、もしもなんて期待させちゃ駄目だろ?


俺は、ゆっくり凛を味わう。体が反応しているのが伝わってくる。さっきより、俺のになった気がする。


「んんっ」


「凛」


「うんっ」


愛を奏でるようにれ合うと…。もう、頭ん中が溶けてく。何も考えてない。俺、今何も考えてない。ただの動物だってわかる。


「凛、後ろ向いてくれない?」


「うん」


もっともっと、愛を奏であげたい。そして、凛の頭の中も真っ白にさせてやりたい。


「ハァ」


凛の声が、聞こえてくる。その声と愛を奏でる音だけか響き渡る。もう、頭の中が痺れてきてる。脳内を占めていた絶望が快楽に書き消されていくのを感じる。人がセックスする理由って、これなのかな?思考を乗っ取られて、他を考えられない。でも、今はそれが欲しい。この快楽が欲しくて欲しくて堪らない。


「いくよ、凛」


「私も…」


『あっ』って重なり合わせた声で二人で果てていた。


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