3.天才と凡人


 才能の違い、格の違いが存在する。

 凡人の努力をあざ笑うかのようにその場で何でもできてしまう。


 彼らは秀才、天才とよばれる。

 どこにいても一目を置かれる存在。


 しかし当の本人は一目を置かれることに嫌悪しているようだった。

 天才という言葉で縛られて本人は嫌だという。


 そう評されることは辛いものなのかしら。

 気軽に発言できなかったり、

 計算高くみられたり意外にデメリットが多いのかもしれない。


 そして意外に世界が退屈に見えるのかもしれない。


 天才は言う。

「六時間行動することは何でもないこと。

 一度読んだものは大体のページを覚えている」



 凡人は反論したいと思う。

「集中力ってそこまで持たないし、何度も反復しないと覚えない」

 凡人はためしに天才の言うことを実行してみた。一日は何とかこなせた。


 けれど辛いなんてもんじゃない。これ以上頑張ったら体が壊れてしまう。

 体力も天才と凡人のちがいを示しているのだろう。


 私は凡人。何をやっても結果はフツー。

 どんなに頑張っても80点ほどしか取れない。


 天才の言動に引きつけられるただの人。


 憧れた力。圧倒的な指導力。

 人の心を操っているようでそうではない。


 人々が真実彼のためにしたいと思い、

 願い行動したからこそ彼の評価につながった。


「天才の目には世界はどのように見えるのだろう?」


 凡人には生きずらい世界でございます。でも彼らは違う。


 生き易い。ゆえに生きにくくなる。

 彼らにとって世界の難事は難事じゃない。

 くだらないこと。意識しなくても自然とできることだから。

 意識しなくて一向に構わない。


 かの人は言う

「つまらない。俺の世界はこんなものではない」

 羨ましいと思った。

 凡人はこんなにも毎日、あくせくと働いているのに。


 彼らはその姿をあざ笑う。

「俺にはそんなこと簡単」

 私には口が裂けても言えない。


 だから憧れる。だから彼の近くにいれば彼の世界が見えるかも知れない。

 人をまとめることに苦痛を感じ此処まで来たけれど


 沢山努力しても不器用は変わらない。

 それ以上に上手な人は世界に沢山いるのだ。


 今はこれでいいと思うけれど

 上を見始めたらきりがない。


 うっかり絶望してしまいそうなくらい

 自分は平凡。


 何でもっと才能がなかったのだろう。

 これでも前よりはましになったんだよ。


 でもまだ全然足りないの。


 どうしたらいい?


 その答はしっかり分かっている。


 学べばいいのだ。

 学んでそれを吟味して


 嘆きながら文を書けばいい。

 幼く未熟な私に精一杯の出来ること。


 それしか私には術がないのだ。


 分かっている。受験勉強はそれを分からせる良いふるい。


 綺麗な映像。私には到底作ることはできないだろう。


 未熟な技術でピアノを弾いてみたところで何が変わるのだ。


 そこまでのレベルはない。


 昔、頑張ることを放棄した私にとって、弁解することも出来ない事実。

 もう追いつきことが出来ない。


 これは就職しても変わらないだろう。


 変わらないと生活できないことが分かったので鋭意努力中なのだ。


 END

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