7.七夕 夜空の願い

 もしも私に愛することが出来たなら


 私は七夕の夜を過ごしたい


 1年間で1度しか会えない日に大好きな人と過ごせたならば


 永遠に一緒にいることができるような気がする


 今日は特別

 今日だけは織り姫様に

 小さく薄い願望


 でも今年は会えない

 なぜなら雨が降っているから


 ひこぼし様に

 この気持ちを伝えられたらどんなに


 楽になるだろう

 でもピッタリの言葉は見つからない

 愛すことは難しい

 あなたのことを考えるとドキドキしたり

 嬉しくなったり

 苦しくなったり


 制御不能の感情奔流

 いっそ

 これが戯れならばよいのに


 私は恋してはならない

 私は愛してはならない


 戒めても

 否定しても

 溢れてくる


 哀しませたくない

 心配かけたくない

 大切だから


 たった数個の約束も

 守れずに

 そばになど居れぬ


 曇天の空模様

 家に帰れば空など見上げる機会もないままに夜がふけるばかり。


 あの人は無事だろうか。


 END


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