第四章:悪龍喰らう神の双牙

第46話:【エタファン、旅人達の休憩スレ その547】

57:名無しの旅人

今更だけどイベントめっちゃよかったな


58:名無しの旅人

最後の?


59:名無しの旅人

うん、あんな綺麗な星見れるなんて思ってなかったから


60:名無しの旅人

流石エタファンって感じだったな


61:名無しの旅人

作り込み、空気感、グラフィックの綺麗さ何をとってもまじで文句なし


62:名無しの旅人

驚くほどバグないし、御霊も壊れないしな 


63:名無しの旅人

トップ勢の御霊も壊れてるわけじゃなくて、性能がそのプレイヤーに合ってる感じだし


64:名無しの旅人

今判明してる時点での御霊って何があるっけ

あ、トップ勢のやつ


65:名無しの旅人

かいちょのー矢筒が、同じ威力の矢とデバフ込めれる矢を作れる奴


66:名無しの旅人

威力低いよなぁあれ、普通にハズレだし当てなきゃ意味ないし


67:名無しの旅人

なんとかなってるのはかいちょーのエイム力があるからだしね


68:名無しの旅人

化物エイム過ぎて笑えないときがある


69:名無しの旅人

空中に目があるのか? って聞きたくなるわ


70:名無しの旅人

ラスロのがなんだっけ?


71:名無しの旅人

アロンダイトDX、受けたダメージを2倍にして返せる。


72:名無しの旅人

ぶっ壊れに見えるのに褒めたくない悲しい現実


73:名無しの旅人

アレだしなぁ……


74:名無しの旅人

他のは?


75:名無しの旅人

ナユタが不明、らんしゃまはガトリング、トップじゃないけどセツラは限界背水、瞬神は……知らん。


76:名無しの旅人

他のトッププレイヤーはかなり詳細隠してるしこんなもんか


77:名無しの旅人

瞬神は速すぎて見えないしな


78:名無しの旅人

なんか通り過ぎたら大体あいつ


79:名無しの旅人

速すぎて壁にぶつかって死んでるイメージ


80:名無しの旅人

それかティファレトのパンツ見ようと大陸中を駆け回ってる感じだな


81:名無しの旅人

一生デスペナ背負って欲しい


82:名無しの旅人

そういえば、今回のイベント関連かしらんが背水野郎の配信見たか?


83:名無しの旅人

セツラの? アーカイブ消えてるから見えないけど


84:名無しの旅人

あれさ、オルフェウス映ってたんだよ


85:名無しの旅人

……セツラってあれか、大陸クエストの発見者


86:名無しの旅人

あいつハーデスっていうイケメンと戦ってたし……マジで何してたんだ?


87:名無しの旅人

聞くのもありだが、絶対に迷惑なるよなぁ


88:名無しの旅人

いたの冥界だしね、イベント中にまじで何やってんだって話


89:名無しの旅人

相変わらず動きが意味不明だったのは覚えてる


90:名無しの旅人

キモい(直球)


91:かいちょー

……脱線しすぎだ

話を戻せ


92:名無しの旅人

お前が一番話したいだろ


93:名無しの旅人

ネタは上がってるんだよ

 

94:名無しの旅人

まぁ虐めるの悪いし、やめてやろう


95:名無しの旅人

それよりさ、大陸クエストって進捗どうなんだ?


96:名無しの旅人

カーメアートで探索中、エジプト関連の話に沿って探してるんだが進捗無し


97:名無しの旅人

同じく桜雷で探してるが、トラツグミ以上の情報は無し


98:名無しの旅人

俺は銀嶺関係漁ってる絶対関係あるだろうし……


99:名無しの旅人

エタニティが一番広いから探したいが広すぎてなぁ


100:名無しの旅人

とりあえず探索進めて報告かなぁ


――――――

――――

――


 狼が啼いていた。

 崖の上、二人きりで寄り添いながら遠吠えを上げ、特に見える木を見つめていた。

 ――しかもそれはただの木ではなく、あまりにも巨大な一本の木。この悠久なる世界で世界樹と呼ばれる聖遺物。

 この場所に言葉はない。

 それは勿論いるのが獣だからというのはあるが、その場には狼以外には何もおらず異常なまでに静かだったのだ。

 

「GAAAAAAA!」


 瞬間、爆発し溢れる咆哮。

 ポップした巨人が産声を上げ二匹の獣に狙いを定めた。

 非力に見える二匹の獣、寄り添うそれは一切動じずに巨人の攻撃を避けて足元に回り、一匹は腹をもう一匹は頭を嚙み千切ったのだ。

 

 一瞬だけ見えた巨人のレベル表示は140。

 この世界でも上位であるそれを経った二撃で殺しきるその狼は再びの静寂に包まれたこの場で狼達は世界樹に視線を移す。 

 まるで最初から何もなかったように元の位置に戻り、再び世界樹を――何よりその根に視線を送っている。


「――ここにいましたかスコル様そしてハティ様」


 空から降りてくるのは、くすんだような銀髪を持つ女性。

 一般的に想像出来るような金色の槍を持った彼女は、お辞儀をし二匹の獣に敬意を払う。


「オーディン様がお呼びです。どうかアースガルズにお戻り下さい」


 そしてそんな言葉を伝えるも、狼二匹は我関せずといった態度で彼女を無視して一斉に駆けだした。

 疾足と言っていい程に駆けた二匹は、そのまま世界樹の方へと消えていく。


「我が強い、やはり魔狼の子供ですか」

 

 去って行く二匹を見送った彼女はそれだけ呟きその場から消える。

 あとにこの場に残ったのは殺されポリゴンにすら変わらなかった巨人の残骸、静寂のみが場を支配して夜が明け始める。

 

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