第29話:イベント開始1日目・美少女求めて蛇狩り三昧

【エタファン、旅人達の休憩スレ その539】


248:名無しの旅人

というわけでイベント開始だな!


249:名無しの旅人

第二陣が始まっての初イベだし規模でかいだろうな


250:名無しの旅人

アイテム集めらしいが、アイテム集めるのと仲直りに何の関係が……?


251:名無しの旅人

ティファレトちゃんが可愛いからヨシ!


252:瞬神

……今日もパンツ見えなかったで候


253:名無しの旅人

またやってるよこの変態


254:名無しの旅人

来たやべートッププレイヤーの一人


255:名無しの旅人

パンツ覗くだけの為に極振りしたやべーの


256:瞬神

今回もエリア外なら見えた筈だったでござる


257:名無しの旅人

……とりあえずイベントの話だな


258:名無しの旅人

何が悲しくてリア充の仲直りさせなきゃいけないんだ


259:名無しの旅人

オルフェウスって新キャラだよな?


260:名無しの旅人

そのはず、今まで名前出てなかったし


261:名無しの旅人

名前から神話関連って事は分かるし、今回の告知場所的にエタニティだよなイベント開催されるの


262:名無しの旅人

オルフェウスで関連付け出来るのは蛇とか、冥府のモンスター?


263:名無しの旅人

女神モデルかもな


264:名無しの旅人

ケルベロス湧いたらキレるぞ俺


265:名無しの旅人

ケルベロスはエタニティの地下に湧くが、流石に通常マップで出てくることはないだろ


266:名無しの旅人

あのワンコレイドボスだしな普通に

しかもめっちゃ強いし


267:名無しの旅人

第二陣来たばっかりのイベントで推奨レベル130の敵が出るわけないだろ


268:名無しの旅人

まぁ、リア充を仲直りさせるイベントだが……イベントには変わりないし楽しもうぜ?


269:名無しの旅人

そういえば貢献度一位ってティファレトと会えるのか?


270:名無しの旅人

しらね、だけど目当てに頑張る奴は多いだろ

あのAI凄く人気だし


271:名無しの旅人

……瞬神とか?

 

272:瞬神

拙者、推しに会うと爆死する故


273:名無しの旅人

ほら、そこは弁えてるから一位は狙わんと思う


274:名無しの旅人

安心?

 

275:名無しの旅人

こいつ信じたくないが強いんだよなぁ


276:名無しの旅人

相手が一人減ったって考えよう


277:名無しの旅人

とにかくイベント頑張ろうぜ皆!


―――――― 

――――

――


「レイナ、火力頼んだ!」

「あいよ――デカいの一発だ!」

 

 杖を構えたレイナが空中に魔法陣を出現させ、そこから魔法を放っていく。

 出てくるのは巨大な火球、それは3割ほど残っていた大蛇の体力を削り相手をポリゴンへと変えた。


「これででかいのは2匹目か。詳細的に蛇狩ればいいらしいが……集めるのってこのメダルでいいのか?」


 レイナがアイテムストレージから取り出した金色のメダルを見ながらそう言った。

 今回のイベントではこのメダルを集めるようで、限定で出現する蛇たちを倒していくようなのだ。

 蛇に何の恨みが? とも思ったが、レイナ曰くオルフェウスと蛇には因縁があるらしく、多分それ関係じゃないかということらしい。


「デカい蛇は報酬が美味くて、小さいのは精々三個しか手に入らない感じか」

「いや、雑魚倒した時に俺もメダル三枚貰ったから多分パーティーだと分配されてる可能性あるぞ?」

「あー、なるほどなそこは均等にか……まぁ、そんなら二人で一位目指すぞ」

「一人の方が効率いいだろ絶対」


 多分本来の報酬は、今まで倒した敵から考えるに4~7枚のメダル。

 パーティーでやるとそれが分配されるという感じだろうし、こいつのプレイスキルなら一人でやった方が効率がいいと思う。一位を目指すならその分走らないといけないし……多分そっちの方が。


「なんだセツラ、オレとやるの嫌なのか?」


 考えてる事を読まれたのか不満そうな顔でレイナは言った。


「そういうわけじゃないぞ? 会いたいなら邪魔じゃねって思っただけだ」

「何言ってんだよ、お前と組んだ方が早いだろ。オレのJOBは魔法使いだし、前衛いないとキツい。それにオレと組めるのはそれこそ雪かお前ぐらいだろ? 信頼してんだよこっちは」


 まぁ、そういうことなら手伝おう。

 そこまで言って貰って手伝わないわけにはいかないし、今回は詫びも兼ねて最後まで付き合おうか。


「とりあえずいい狩り場探すか?」

 

 どうせならこいつにティファレトと会わせた上げたいし、今回は気合い入れて頑張ろう。だからそう提案したのだが……。


「いや適当にぶらついて出会ったら倒すのでいこう、期間は一週間あるしな」

「了解、お前に従うよレイナ」

「おう、せっかくの初イベだ楽しんでやろうぜ」

「まぁそれもそうだな、楽しまなきゃ意味ないか」


 今回の目標は楽しみながらも全力でって感じだろう。

 一位取れるか分からないが、どうせなら目指したいし頑張ろうか。


「そういえば、今回のやつってフレーバーテキストとかあるのか?」

「あった気がするな、ちょっと見るか」


・クエスト名:星を彩る銀の竪琴――依頼主オルフェウス。

 冥府の宝を飲んだ蛇が地上へと放たれた。かの毒蛇を倒して宝を冥府に返上し、銀の竪琴を取り戻せ。


「へぇこんなんなのか……で、冥府の宝ってのがあのメダルか」

「そうかもな、じゃあやっぱり集める方針でいいな」


 そんな風にテキストを確認した後で暫く歩いていると、今まで黙っていた禍津が口を開いた。


『なぁ主様、蛇とは美味いのか』

「……急になんだよ禍津?」

『いや、ただ単純に気になっただけだ』

「食ったことないから知らないが、鶏肉みたいな味らしいぞ? あと蒲焼きがいいらしい」


 リアル見た動画の知識だが、蛇は鶏肉みたいな味がするらしい。

 それに鰻みたいな食べ方も出来るかもしれないし、美味いのかもしれない。


『そうか、沢山見てたら腹が減ってな』

「いや蛇肉専門店とか流石のこのゲームにもないだろ」

『……残念だ』


 そんなに食べたいのか……とちょっと相棒の変な一面を知った俺は、なんとも言えない気分でそのままレイナとイベントを走る事にして、その日は夜まで一緒に蛇を狩り続けた。


 

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