第2章3.5節 勇者、動き出す。
「ステータスオープン。ふん、こんなもんか。」
あれから5年、気が付けば自分が死んだ年齢にそろそろ並ぶ頃になってきた。
全体的に筋力は付き、顔立ちも大人びて見え始める。
ステータスにはこれまでの自分の努力が表示されているが、ユウヤは満足できていない。
「勇者様。」
「・・・なんだ?」
「先程、神託が降りました。魔王の復活がなされました。」
「魔王・・・ね。」
ステータスを閉じ、シスターに近づき見下ろす。
「それで?それが雌豚であるお前が服を着ていい理由になるのか?」
「・・・申し訳ございません。」
頭を深々と下げ、身に着けていたものを全て脱ぐ。
産まれたままの格好になり、再度ユウヤの前に平伏す。
「それでいいんだよ。お前の価値なんてその無駄に肉の付いた体しかねぇんだからな。」
「はい・・・。」
「しっかし、お前は不気味な女だなエルレイヤ。俺が修業を付けろと言えば修業を付け、何も知らないこの世界について聞けば何の疑問も持たずに答え、ヤらせろって言えば服を脱いで簡単に股を開いて濡らして見せる。流石の俺でもお前の行動にはドン引きだな。」
「お褒めに頂き、感謝申し上げます。」
「褒めてねぇよ。お前の異常性を指摘しただけだ。しかも、お前は自分だけじゃ飽き足らず、他の教会からシスター共を呼び寄せ、全員を俺にくれるんだから・・・本当に何考えてんだお前は?」
「勇者様にこの世界を救って頂く為、私に出来うることは全て行わせて頂きます。そして、その血脈を途絶えさせない為にも勇者様には修行と勉学の他に、子作りにも力をお貸し頂きたいのです。」
「別にそれは構わねぇよ。この世界はブスがいねぇみたいだしな。んで、その魔王ってのは何処にいるんだ?」
「・・・恐れながら申し上げさせて頂きますと、場所までは分かりかねます。」
「・・・ふ~ん。」
「申し訳ございません勇者様。どうかこの身に罰をお与えください。」
「ハッ!だったら男共を集めてお前でも
「それが罰ならば、好みにお与えください。」
「・・・つまんねぇ女だ。俺がそんなことをしねぇって思ってやがるな。」
「勇者様ほどの独占欲の塊を、私は他に知らないだけでございます。でなければ、この場所にご自身の館などお作りになるはずがありません。」
「いやそれはお前が作ったんだけど?」
「そうでしたか?まぁ、細かいことは置いておきましょう。」
「ったく!・・・くっくっ。本性の方が話しやすいぞエルレイヤ。」
「ありがとうございます。」
「さて、これから俺はどうすればいい?」
「まずは武器を手に入れましょう。勇者様に相応しい武器を。」
二人は不敵な笑みを浮かべると、ベットへと誘われて行った。
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