番外編その3 ???の・・・。

暗い・・・暗い・・・暗い世界・・・。

ここが何処か、俺にはわからない。

分かるすべもない。

ここに来るまでに私が何をしていたのか、全く覚えていない。

何か手掛かりが無いか、そう思い周りを見ても暗いだけ。

自分の手も見えない。

それどころか、自分が何なのかさえわからない。

男?それとも女?

赤ん坊?それとも老人?

人間?それとも獣?

命あるもの?それとも無機物?

何もわからない。僕は何者なんだ?

・・・怖い。

ここがとても怖い。

自分が自分でないような気がする。でも自分は自分だとも思ってしまう。

僕は一人?それとも私は複数人?

形がある?それとも無い?

何もわからない。

・・・誰だ?

・・・気のせいか?

今俺を呼んだような気がする?いや、呼ばれてはいない?

声が聞こえた?いいや幻聴?

・・・違う。

俺のこと、確かに誰かが呼んでいる。

誰?誰が私を呼んでいるの?

男性?それとも女性?

子供?それとも大人?

人間?それとも獣?

僕を読んでいるのは誰?いいや呼ばれていないのか?

・・・確かに聞こえる。

とても、とても弱々しいけれど怒っている声。

この声を聴くと、行かなきゃって思ってしまう。

いや、拒まれている?

違う、違う、違う。

この声は僕を呼んでいない。

けど、私を呼んでいる。

この内から漏れ出ている温かくも恐ろしいものを呼んでいる。

俺であり、俺じゃないものを、呼んでいる。

・・・行こう。

進んでいるのか?それとも避けているのか。

わからないけど、俺を呼んでいる声に向かって、私は進むべきだと思う。

・・・光だ。

赤くて、恐ろしくてけれどとっても魅力的な光が僕を呼んでいる。


『・・チカラ・・・ヲ・・・サズケロ』


僕の声?から言われている。

この光に力を授けろって、私の体を明け渡せって。

そしたら俺はどうなるの?

消えるの?それとも光になるの?

消えるのは嫌だな。怖いな。


『・・チカラ・・・ヲ・・・サズケロ』


でも、俺の声を聴くと安心してこの身を渡せるような気がする。


『チカラガ・・・ホシイカ?』


今のは俺の声?だけど、私にではなく光に向かって話しかけたような気がする。

僕はこの光に、彼に力を渡さなければならないんだ。

あ、れ?何で光を彼って?

わからない。わからないけど、あげよう。

この光に逆らうことなんてできない。

この暗くて怖い世界にある一つだけの安心する場所。


『・・・ジュウリンセヨ』


ああ・・・僕の中から私が消えていく。

いや消えてはいない。

俺は光りの中、彼の中で共に生き続ける。

とりあえず、目の前の蟻を潰そう。

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