第6話鬼妹
「妹から逃げるのが得意なお兄様がわたくしに、自転車で追いかけ回されているのです。走りやがれ、ですわ。返事は〝イエス、マム!〟です」
お前、〝ですわ〟をつければ上品だと思っているだろ?
(キャラ設定が雑すぎる)
雑なのは、俺に対してだけだが。
そりゃ、清楚系美少女の妹がキャラ崩壊状態で追いかけ回してきたら、ある種のホラーだ。全力で逃げるよ。
それに、
俺は逃げているのではない。走らされているのだ!公園をとりあえず3kmほど毎日。
桜花の追いかけるペースはかなり早めのランニングである。
そのうち、ダッシュも混じるかも?
なお、距離は俺の持久力の向上具合を見ながら増えていく。
あと、柔軟体操とかも鬼ってる。桜花に補助してもらうのだか…痛いのなんの!
それから、腹筋・上体起こし・腕立て伏せをそれぞれ50回ずつ。これらも俺の筋力増強に合わせて増えていく予定。〝ワ◯パンマンチャレンジ〟の簡易版である。
そのあと、テニスの前後左右の追い回し(?)を100本。いわゆる〝千本ノック〟を受ける。ケタが一桁少ないが。
テニスのサーブの練習も30本。
テニスのトレーニングは、カラオケの時に遭遇した幼稚舎組の下衆どもが3人ともテニスサークルだということと、1ヶ月半後にテニスの授業があって、そいつらと対戦する機会がありそうなことが関係する。
♠️
公園のテニスコート。夕日をバックにボールが前後左右に飛んでくる。飛んでくる順番は決まっているが…反復はきつい!
今もズザーと盛大にこけた。
本の虫が運動を始めたばかりなんだ。前後左右にふられつづけたら足がもつれて、こけもするさ
「まだ、終わってませんわよ」
こけても球は飛んでくる。パカーンと俺に球が直撃した。昭和の鬼コーチか?
いや…
「この
「むー!」
誰がモノマネをしろ、と言った?
しかも、
「似てるし!!」
「あとでオイルマッサージをして差し上げますから、立ってくださいませ❤️そのあと、添い寝してよしよししながら子守歌でも歌って差し上げましょうか?」
「添い寝と子守歌はいらん!」
俺は立ち上がる。
(誰に対しても普通に優しい奴だが…俺に対するアメとムチだけ、両方ともぶっ壊れてやがる)
裏オプのない健全なものであることはわかるが、お断りだ!
このあと、妹と協力して家事もこなさないといけないし、学校の宿題もやらなくてはいけない。
あー…切実に、だらけながら本を読みたい!
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