掛け合い台本 七星物語 第二の星『天璇』
〜プロローグ〜
歴史の闇に沈んだ、呪いの獅子と小さな星。
その二つの運命が交わる時、物語は新たな章へと踏み出す。
ステルラ:
カースレオン:
ステルラ「あなた、そこで何をしているの…?」
カースレオン「あぁ…?」
ステルラ「人が倒れてるじゃない…!もしかして、あなたが…?」
カースレオン「だったら何だ」
ステルラ「まぁ…。あなた、名前は?」
カースレオン「は…?なんで名前なんか」
ステルラ「いいから、教えなさい!」
カースレオン「カースレオン…」
ステルラ「…そう、やっぱりあなたが。お姉様から遺言を預かってるの。刃物を持ったボロボロの公爵服を着た男と出会ったら、名前を聞いてと」
カースレオン「…遺言だと?」
ステルラ「お姉様は、あなたを放っておいてはいけないと伝えてきたのよ」
カースレオン「…バカな。お前の姉は俺が殺したんだぞ…」
ステルラ「わかってる…。けれど…遺言を残す時、あなたが何か特別な使命を背負っているとも言っていた」
カースレオン「使命、か…」
ステルラ「お姉様は最後まで何か重要なことを伝えようとしていたわ。それが何かはわからないけど、少なくともあなたを助けることで、その意志を尊重できるかもしれない」
カースレオン「…お前はそれでいいのか?俺を助けたところで姉の復讐心が晴れるわけではないだろう」
ステルラ「復讐心は私の問題。でも、お姉様の意志に従うことは、私自身の心の整理にもなる。まずは今、あなたを助けることが大切」
カースレオン「…わかった。だが、気を付けろ。俺を助けるってことは、自分自身も危険に晒されるということだからな…」
ステルラ「もちろん。それを承知の上で、私はここにいる」
カースレオン「そうか…お前の覚悟は伝わった。なら、急いでここを離れないとな」
ステルラ「その前に、あなたに渡さなきゃいけないものがあるわ」
カースレオン「これは…懐中時計か…?」
ステルラ「ただの懐中時計じゃない。お姉様が生前大切に持っていた、数奇なる運命を記録する懐中時計」
カースレオン「運命を記録する…?」
ステルラ「ええ、この時計には特別な力があるの。お姉様はこの時計が、呪いを解くための手がかりになると言っていたわ」
カースレオン「…なるほどな、ありがたく受け取ろう」
ステルラ「呪いを解くこと…それがあなたの使命、なのよね?」
カースレオン「ああ、詳しいことは後で話す。追手は俺が片付ける、お前はなるべく顔を見られないようにしろ」
ステルラ「わかったわ。まだ会って少ししか経ってないけど、私はあなたを信じてる」
カースレオン「まさか、俺がそんな言葉をもらえる日が来るとはな…」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます