掛け合い台本「猫好き狩人」


狩人「駒に堕ちたら、永遠に魔女の玩具…鎖で繋がれ逃げ場は無しってわけか…」

魔女「くすくす…無様な生き物ね。あぁ、本当に愉快だわ」


狩人「…俺はちっとも愉快じゃねぇがな」

魔女「うふ。さ、今日はこれで終わりよ。その道をまっすぐ進みなさい。あんたの家に帰れるわよ」


狩人「ようやくお役御免か。…ったく、お前は好きな時に俺を呼び出して、あげくボロ雑巾みたいに扱いやがる」

魔女「私だって、たまには散歩したり遊んだりしないと死んじゃうのよ。わかるでしょう?」


狩人「ああ。遊びたい時には一方的に絡んできて、飽きたら一方的に姿を消す。うちのダイナと同じだ」

魔女「みんな、媚びてジャレついてくる犬が好きなのよ。可愛げのない猫が好きなやつなんて、どこにもいないの」


狩人「そうでもねェ。好き勝手生きてる猫が、鬱陶しくなくてちょうどいいって思ってるやつも、たまにはいるもんさ」

魔女「…気が向いたら、またあんたを猫の散歩に付き合わせてあげるわ」


狩人「どうせ断ったところで、勝手に絡んでくる。そういう自由奔放な生き物を愛せるのが、俺たち猫好きだ」

魔女「…くす。あんた、いちいちいい男すぎるわ。だから猫に好かれるのよ。さぁ、早くお帰りなさい。私が猫らしく機嫌を変えないうちにね」

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