掛け合い台本 殺し屋とスナイパー

A男性 B女性


A「…嬉しそうだな、仕事は上手くいったのか?」


B「…ええ、ベストのタイミングで横槍を入れてやったわ。」


A「あんたの笑った顔は初めてみた。…にしてもなかなかにいい気分だ、ほんとに感謝している。まだ俺の記憶は戻らないが…あんたがいなけりゃ俺は多分…」


B「構わないわ、その分私の役に立ってもらうから。車を出して。」


A「OK、ボス。」


B「今日はもう一件仕事があるから気を抜かないでね。」


A「…………。受けない方が良かったんじゃないか、あの男は…」


B「別に依頼人の善悪に興味はないわ…金さえ払ってくれれば。」


A「そうか…」


B「あなたのその仕事に私情を持ち込むクセ、直した方がいいと思うけど。この前だって殺人犯をみすみす逃がそうとしてたじゃない。」


A「いや…でも、あいつらは心を入れ替えると言っていた…」


B「バカね、あんなのその場凌ぎの嘘。私が撃ち殺さなかったらまた犠牲者が増えてた。」


A「どうしてそう言い切れる。」


B「長年この仕事してるとなんとなくわかるのよ。」


A「そういうモノなのか…」


B「そういうモノなの。あなたもどちらかといえば、そっち側の人間の目をしている。」


A「冗談はよしてくれ。」


B「今は自覚がないでしょうけど、いずれ思い出すことになるわ。」


A「まるで俺の過去を知っているような口振りだな…本当に俺を拾ったのは偶然なのか?」


B「さぁ、どうでしょうねぇ…」


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