第45話 Rez (STG)
増えすぎた人口の対策として、ネットワークのシステムにして運営をしていた地球だったが、ネットでの犯罪は増える一方で政府は頭を悩ましていた。
そこで新たなるネットワークのシステムを作り上げ、人口頭脳のエデンを構築するのだが、完成間際にエデンが膨大なネットの情報に耐えきれず、永遠の眠りについてしまう。
プレイヤーはそのネットワークのシステムに潜り込み、眠っているエデンを直接的に呼び覚ますという任務でコンピューターウィルスに犯されたネットでの戦いを始める……。
──セガがハード事業を撤退し、今後ソフトメーカーとしての発表後、初めてセガ機種以外に他機種(プレステ2)にも発売した3Dシューティングゲーム(以下略STG)、その名を海外の音楽ユニットから命名されたという噂のレズ。
──全面ワイヤーフレームという簡素な作りに奥行きのあるステージで敵となるウィルスをロックオンして破壊し、その破壊した音がバックのBGMに重なり、音を加えていくという当時にしては珍しい新感覚なリズムゲームである。
──バックのBGMはダンスのテクノミュージックとなっており、プレイヤーのウィルス破壊でシンセドラムの音などが加わり、まるでプレイヤーも演奏してるようなノレる感覚が味わえる。
ただし、音楽はテレビのスピーカーからでは味気ないサウンドとなっており、ヘッドホンでのプレイを推奨する。
そうしないと本作の音楽の魅力がほとんど感じられない。
味気ない微炭酸ジュースの味わいと一緒である……。
──本作はドリキャスの振動パックにも対応しており、リズムに合わせてコントローラーがリアルに振動する。
プレステ2では身体に付けた振動装置が絶妙に振動を箇所に伝えるというリアルな作りだった。
──スタート時、耐久度は1しかなく、0になったらゲームオーバーになるが、耐久力アップのアイテムを一定数取ると耐久力が上がり、全方向に攻撃を放つ緊急回避のボムのストックもアイテムを取ることで4個までストックできる。
──敵を普通に単体でロックオンしても単調なドラム音にしかならないが、複数やロックオン限界までの攻撃をすると一つのメロディーとなってBGMが綺麗に繋がるのが特徴で、じゃあ、ガチのリズム隊になりたいから、敵を撃ち漏らすまいというど根性がプレイヤーの心にひしひしと伝わってくる。
──また各ステージにあるネットワークのポイントを破壊すればBGMが一段階音程がアップして、フレームの背景までも変わり、巨大ボスの手前では一つの壮大な見える音楽としてプレイヤーの心を陶酔させる。
──本作は敵の玉を避けて進むという概念がなく、攻撃を防ぐにはロックオンして攻撃を撃ち落とすしかない。
この影響で大量の敵弾に襲われると玉を撃ち落とすことで精一杯になったり、見えづらい所からの攻撃で被弾したりと、驚愕パニックるーむになり、STGの楽しみの一つでもある弾除け的な爽快感はほとんどない。
ノコノコと畑にやって来たカラスをロックオン(爆竹音)で撃ち払う……そんな単調なゲーム性が目立つ。
まさに攻撃もロックオンして攻撃、緊急回避のボムを放つだけの2タイプなシンプルな攻撃のみで単調な操作であり、ステージ構成や敵の作りもワイヤーフレームの絵柄がメインと情報的にも飽きやすい。
音ゲーとしては高く評価出来るが、STGとしての完成度は中途半端で色々と意見が分かれるゲームであった……。
──確かにこのテクノの音楽は有名なテクノミュージシャンが作曲しており、中毒性があり、本作のゲームの内容に違和感なく溶け込んでいる。
数多くの音楽賞を授賞し、音楽家の評判が良いのも納得も出来る。
ステージ4までの音を探求するのがメインのお気軽にお楽しみーなモード、出現する敵を複数狙ってガンガン点数を稼ぐスコアアタックモード、ボスのみを相手にするモードとゲームとしてのやり込み要素があるのもまあまあ納得出来る。
だが、STGとしての可能性は少なく、無理にSTGにしなくても普通の音ゲーで良かったのではと思ってしまう……。
──ラストのステージもノリが悪いスローテンポなリズムでもあり、ここでもプレイヤーの意見が分かれた。
しかもこれまでの巨大ボスが再登場する場面もあり、音楽どころか、敵の玉を撃ち落とすのに一生懸命な状態が続く。
ラスボスも攻略方法が独特で普通に攻撃をしても苦戦をする一方……こうなると強引にボムを使ってステージを乗りきるしかない……。
今までは音楽にノレて楽しいゲームだったのに、ラストステージのこの難解すぎるゲームバランスはどうなっているんだ? と
──3D STGとしては異例な作りなRez。
外野から見ると普通に敵をロックオンで攻撃して進んでいるだけという地味なゲームに見えるが、このゲームは自分で操作してみて初めて面白さや、物足りない感が理解できるゲームである。
ゲーム内容によってはファン層が綺麗に分かれるゲームなので中古市場などで安値で叩き売りにされている切ない所もある。
──このゲームはあくまで視覚を通じて音楽を楽しむ作品であり、ゲーム性は二の次なのかも知れない。
万人向けではなく、あくまでもプレイする人を選ぶ、そんな奇抜なSTGでもある──。
****
──さて、駆け足で紹介してきた私のゲーム人生も、このセガの最終ハードであるドリキャスのこの作品でおしまいである。
これ以降はドリキャスの美麗な映像で楽しめたマニアックな小説タイプのギャルゲー(美少女ゲーム)によるシナリオの素晴らしさにドはまりし、次第にゲームプレイよりも主題歌やエンディング曲の方に夢中になり、セガの次世代機も無くなったせいか、ゲーム人生を引退。
所持していたゲームハードもソフトも全て処分し、これまで飾りだった音楽と真剣に向き合い、ゲーソンやアニソン、昔からちょこちょこ聴いていたロック、メタルなどという多彩な音楽にハマり、ゲーソンやゲーム音楽は知っているが、自然とゲームからは離れるようになっていった……。
──そんな音楽漬けの日々から数年後……。
ゲーム目的ではなく、当時のDVDプレイヤー搭載のわりには安価で、偶然手に入れたDVDなどの映像が見れるプレステ2の存在により、引退と思えた私のゲーム人生を再び呼び覚ますようになる……。
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