第40話 サクラ大戦3 ~巴里は燃えているか~(ADV+SLG)
前作、サターンで発売されたサクラ大戦2が無印以上に爆発的な売れ行きとなり、瞬く間に有名となったサクラ大戦。
花組に新人の二人の隊員を迎え入れた帝都に拠点を置く劇団のチームは舞台に戦術にと様々な困難と立ち向かい、大神一郎は中尉の称号を会得。
帝国華撃団花組は新たなる進化を遂げた。
──本作はドリームキャスト(以下略ドリキャス)にフォーマットを移し、主人公の大神が海外留学のため、
その景色は実に爽快で、実際に原作者が現地を訪れて情報を集めたことだけはある。
──1から馴染みのあったメンバーとの別れから隊員が全て新キャラになった時点からサクラ大戦らしさが消えてしまうのでは? とファンから呟きもあったが、そこはセガのメーカーの
新キャラにすることで新規プレイヤーを誘い込み、改めてドリキャスからサクラに入ったユーザーにサクラ大戦の面白さとは何だ? という展開にした内容には無印からハマっていた私の感情を再度、いや、ハムカツ
例え、キャラが一新してもサクラらしさは失われていなく、前回よりも面白さを増したのは言うまでもない。
──本作はドリキャスに新たに移植されたサクラ大戦と2のソフトと連動しており、お目当てのキャラでクリアしてると続編での好感度が引き継がれたり、特殊なイベントが観られたりと嬉しい要素もあった。
また、ドリキャスのビジュアルメモリーとも連動しており、緊急の事情によるメールなどでは結構大きな音によるお知らせのコール音(毎話、不意打ちなのでビビる)が鳴ったり、メモリー専用のミニゲームが遊べたりと盛り沢山だった。
今作もゲーム本編でキャラ専用のミニゲームもあり、そのうえトランプのポーカーやブラックジャック、スロットゲームで隊員と対戦するゲームもありと、これが本編と同じくらいに面白いから手に負えない。
──アドベンチャーモードの時間制限選択肢でではアナログLIPSというコントローラーの3Dスティックの指先の力加減で大神プレイヤーの気持ちを絶妙に演出。
軽く倒して冗談的に絡んだり、思いっきり倒して言葉に強い感情を込めたりと前作以上の仕上がりとなった。
──戦闘のシミュレーションシステムも新モードARMSシステムを導入し、画面のゲージが無くなるまで攻撃、防御、移動の動作が可能になり、これまた3Dスティックを使用することで斜め移動も出来るように。
キャラも前作よりも少ないのでサクサク進めるのもいいが、主人公大神の機体もアドベンチャーパートの選択肢により、通常、攻撃、防御の三タイプによる形状に変化。
それによりステータスや必殺技も変化するようになった。
おまけに二周目以降では街中の人々の信頼度も大きく影響し、条件を満たすと大神最強の必殺技も使用可能。
単体勝負な大神機では異例の全体攻撃となる必殺技は多くのプレイヤーを虜にした。
──前作からの歌謡曲のメロディーの雰囲気でミュージカル調にアレンジされたオープニングアニメも良かったが、そのムービーなども一本のオリジナルアニメと同じような時間と手法が捉えられ、当時では珍しかったアニメにCGなどを織り交ぜた最新鋭の映像はこれまたファンの心を大きく掴んだ。
そのあまりもの手抜きなしの丁寧な演出に一体どれくらいアニメに予算を注いだんだ? という噂も広まった。
億単位ではないことは確かである……。
──またゲームを進めると帝都のキャラたちがゲスト出演する展開もあり、オープニングも『檄! 帝国華撃団3』というアレンジ曲を流し、多くのサクラファンに衝撃をもたらした。
まさか帝都のキャラのさくらたちが大神が気になって巴里にドタバタと押し寄せることなど誰が予測できただろうか。
いかにもセガらしい思いもよらないサプライズであった。
──ヒロインのキャラたちも魅力的だ。
エリカの奇妙なダンスはたちまち噂になり、グリシーヌとの熱いバトルの駆け引き、ロベリアの中の人は実は乙女な方だったり、コクリコの無邪気な姿に、花火の辛くて暗い過去。
五人それぞれが様々な笑顔と感動をもたらせ、エンディング曲の『未来 ーボヤージュー』では涙なくしては語れない名曲となった。
サクラ大戦は3という続編になっても進化を留めることをせずにアニメ、映像、音楽と三つの三大要素を究極に叩き込んできたのだ。
サクラ大戦の一番の魅力と言えばアニメとゲームの融合。
今回もそのことを思い知らせてくれた3である。
──サクラ大戦は後にドリキャス限定で発売された4にて物語を一時終結。
ストーリーの量はファンディスク並みと短編の扱いだが、主題歌が大神も歌う大神華撃団専用のオープニングムービーとなったり、戦闘パートをシリーズ最強の難しさにしたり、帝都と巴里のヒロインが全集結という賑やかな演出になり、エンディングでは選んだヒロインと感動のながーいフィナーレ曲でゴールというおめでたい展開に。
多少、ギャルゲー要素が出てきた内容となったが、これまでこの色恋な展開に持っていかなかったセガの手腕も凄いと思う。
その4にてシリーズの主人公だった大神と真の別れを告げ、大尉から劇場の支配人となった大神はさくらと共に帝都の平和と暮らしを支えるようになる。
そこへ5の新規となる主人公が顔を出しに来るのだ。
──大神の名により、甥っ子でもある新次郎はニューヨークに配属されることが決まり、その異国の地へと足を運ぶのだが……と流れ的にはいい感じの物語構成だった。
しかし、今までの歌謡曲でミュージカルな音楽とはかけ離れたジャズというジャンル、ミニゲームが完全に無くなった、戦闘パートが難しく、さらに不要すぎる空中戦、キャラクターもストーリーも強引な内容で破天荒過ぎる……とイタいくらいに叩かれ、さらにサクラシリーズに大神一郎は無くてならないものとまで叩かれて、天日干しでひたすら干された。
セガの裏切り? により、プレステ2で発売された5の内容は今いちとなり、サクラシリーズの人気は4までと成り果てたのだ……。
──それから時は過ぎ、サクラの続編は出ないままだったが、14年ぶりにプレステ4にて新サクラ大戦が発売するが、これがまた最悪なパターンに……。
キャラクターデザインの変更、アドベンチャーパートでのアニメキャラの3D化、バトルシステムをアクション性、音楽性がベタなJPOP過ぎるなどと、とんでもない内容を盛り込んできたのだ。
新規のサクラファンに手に取って遊んでもらいたいという意思を籠めたらしいが、こんな時代にサクラ大戦に初めて触れる人がいるのかと疑問を感じている自分がいた……。
──サクラ大戦シリーズはドリキャスで終わったのか、それとも次回の新サクラ大戦シリーズで新たに開花するのか……。
これからもサクラ大戦の物語と挑戦は続いていくのだろう──。
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