第34話 バイオハザード3 ラストエスケープ(ACT+ADV)

 人々を恐怖に陥れたバイオハザード、プレステにて続編の発表。

 プレステを購入して半年で飛び込んできたニュースに元々真ん丸な目を丸くした。


 当初、プレステにてバイオ無印(バイオ1の略)と2を遊んでプレステの実力を知り、他に何か楽しめそうなゲームはないかと思いながらゲーム雑誌を読んでいた出来事だった。


 ──主人公は無印からのヒロイン、ジルからしか選べなく、物語の尺も短めだが、一度ゲームクリアすると本編の三人の傭兵から一人を選び、街中の敵を相手にしながら生存者を救出して目的地に行くモードや、本編でのジルのコスチュームの追加などと、やり込み要素はふんだんにあり、何度でもクリアできる代物となった。


 ──場所は洋館や警察署から漏れ出したTウィルスがまん延した街中がメインとなる。

 そこにはゾンビにより生きた人間はやられ、そのゾンビたちで溢れた民衆に溢れ、街中の建物や交通網は完全に崩壊していた。


 無印で洋館を探索してゾンビなどが作られた原因を突き止めたジルは2の事件が起こった警察署とは離れた街中で更なるウィルスの関連性の情報を掴むため、街中のとある廃屋に身を潜めていた。

 そこでガス爆発の爆音と共にゾンビになった集団に狙われることになる。


 炎に囲まれた状態から作戦遂行を開始したジルは燃え盛る建物内から緊急脱出。

 炎というあちちな装備を纏ったゾンビの猛攻もさらりとかわし、とりあえずはラクーンシティからの脱出を胸に抱くのだった──。


 ──ゾンビが襲ってくるタイミングを見計らってボタンを押すことで、床を転がって攻撃をかわしたり、素早く横に移動する緊急回避、その場で移動せずに体の向きのみを変えるクイックターンなど、ゾンビたちの攻撃に対して攻撃以外の避けの行動が可能になった。


 これにより、無印から問題があった弾薬の節約ができ、なおかつ新たに弾薬を作ることも可能に。

 前作までとは違い、きちんとした使いどころが出来るようになり、当時のキャッチコピーだった『ホラーゲームより、アクション性が強い内容のゲーム』となり、バイオ馴れしたプレイヤーに新たな感覚をもたらした。


 ──複数のゾンビか囲まれてもこれらのアクションの追加で追い詰められるということは減り、敵の数に圧されてゲームオーバーになる確率も減った。

 ただし、緊急回避の避け方までは読めないため、回避した先に敵がいる場合、避けるのは困難になり、それをさらに避ける回避の連続で、今、自分が何をしているのか混乱するという不可解な現象も起きた。


 ──ゾンビの種類も増え、這いずり以外にも走ってくるゾンビや、ふくよかなゾンビなども登場し、音に反応するハンターの強化バージョンなども現れて、プレイヤーに前作以上の衝撃をあたえた。


 ──街中の背景も非常にリアルであり、粉々に割れて飛び散ったガラスや、至る所から吹き出る炎と、ゾンビの襲撃により崩壊した様子を上手く表現しており、いかにこの街がピンチなのかと、その悲惨性もよく表現されている。


 ──さらにこのゲームには無印で苦労したタイラントさんよりも厄介な包帯グルグルミイラ男のようなモンスターが現れる。


 ──名称をネメシスおじ様。

 ジルをターゲットにして、彼女にしつこく付きまとう変質者ではなく、追跡者であり、いかなるときでも突然現れ、余程の暇人なのか、ひっきりなしにジルを攻撃してくる。


 街中の狭い道から突然ダッシュして突っ込んで来たり、道にある壁を体当たりでぶっ壊して乱入してきたりと、毎回ネメシスの登場シーンがいきなりなので何かと心臓に悪い。


 一定数のダメージをあたえたりするとその場に倒れて動かなくなるが、ネメシスは一定時間が経つと超回復するという機能を備えており、何度倒されてはジルの元にやって来るというヤベえストーキングの能力を持っていた。


 このおじ様、武器もロケットランチャーが使用でき、上空に飛んでいるヘリを狙い撃つことも可能なエリートな相手で、ある程度のダメージが蓄積されると武器が触手に変わった攻撃になるが、最終的にダメージが積み重なると超回復が追いつかなくなり、ドロドロとした肉の固まりのような状態で相手をじんわりとつけ狙うようになる。


 こうなるとロケットランチャーでは破壊できないので、廃屋に潜んだとある魔術の巨大レールキャノンでないとダメージ=完全機能停止にはできず、その兵器を発動させるためにフロア内の複数のスイッチを起動させないといけない。 


 しかし、これがまた面倒なのである。

 ネメシスの肉塊に触れただけで毒になったりもするし……。


 本音を言うとこんな現実離れなバブルスライミーみたいなラスボスにせず、ロケットランチャー一発でサクッと終わりにしてほしかった……。


 ──プレステの発売から時を経て、セガの待望の新ハード、ドリームキャストでもこのゲームが移植となったが、プレステよりも背景の質が悪く、ドリキャス専門(後に他機種にも移植)で発売されていたコードベロニカとよく対象にされて痛い目にあったようだ。


 ドリキャスで発売していたことも知らず、徐々にゲーム離れをしていったあの頃の自分を思い出す。

 ドリキャス版にはプレステ版以上に色々な要素が追加されていただけに非常に惜しい。


 ──バイオハザード3。

 プレステで発売した最後のシリーズとなり、タイトルのラストエスケープのごとく、最後の脱出劇となった。


 ウィルスに完全に支配された街は軍により秘密裏に核兵器で破壊され、完全に街ごと焼失するのだ。


 ──だが、物語はこれで終わりではなかった。

 先ほど少しだけ触れたコードベロニカというネームを引っ提げて、南海の孤島へと舞台を移し、新たなるウィルスの気配を感じさせるようになるのだ。


 ──話を少し戻すが、後にこのバイオ3はプレステ4などで完全にリメイクされ、リアルになった街やおぞましい敵を相手に、原作を経験済みなプレイヤーに真の恐怖を植えつけた。

 そのせいか年齢制限が厳しく設けられ、18歳以上対象となり、誰でも遊べるゲームではなくなった。


 ──プレステなどで過去作品のリメイクやナンバリンクを続け、よりリアルに、より怖くなっていくバイオハザード。 

 大盛況となった実写映画は一区切りついたようだが、どうやらこのゲームのシリーズには終わりは見えないようだ。

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