第33話 ファイナルファンタジーⅧ(RPG)
ファイナルファンタジーで最も売れたシリーズで今もなお根強い人気を誇るⅧ(以下略FF Ⅷ)。
主人公のスコールがV系バンドのモデルみたいにカッコ良い美男子で、多くの女性ファンも虜にした作品でもある。
──だが、万人向けのゲームを目指すため、前作Ⅶの三頭身のキャラから、リアル重視を試みた八頭身のスマートなキャラにすることにより、容量が足りなくなり、結果、キャラなどの姿が荒々しい画像となった。
下手をするとサターンの3D画像とあまり変わらないのでは? という不評も出たくらいだ。
──学園を舞台にした物語だけあり、キャラクターも十代で固められ、今までのFFシリーズとは違い、恋愛要素も強い。
傭兵の養成学校に通うスコールも基本無表情で愛想もなく無口であり、過去の出来事から他人と距離を置くというクールな性格だが、学校の成績は優秀で一目置かれていた。
そんな孤高なスコールの前に彼とは正反対な明るい性格のリノアと出会い、段々とスコールは彼女に牽かれていく。
ソフトのロゴパッケージによる二人が寄り添うイラストからでも二人の愛のメッセージが自ずと伝わってくるだろう。
──各所には美麗なムービーが流れ、そのムービーの中を歩けるという驚きの部分や、FF初の主題歌も起用しており、この主題歌は大人気となり、洋楽チャートさえも圧倒した。
あっという間にビックリ箱である。
──本作のバトルシステムは今までのFFとは違い、プレイヤーに合わせてモンスターや敵もそれに連なり、ニョキニョキとレベルアップする仕組みとなっている。
極端に言えば、スコールがレベル99の場合、敵側のレベルも同列してレベル99になるのだ。
つまり、どれだけレベルを上げても敵側の方も強いままなので半端にレベルを上げてもゲームオーバーになる確率もあった。
なおかつ、レベルアップが容易に出来るので低レベルでのクリアの方が難しい。
このバトルシステムにより、Ⅷとしてのゲームバランスが大きく崩れており、FF初心者がいきなりこのⅧをプレイするには難易度が高過ぎた。
逆にレベルの低いスコールよりも極端に強い恐竜のような敵もたまに現れて、そういう場合は逃げるしか策はなかった。
このⅧでは、一回だけダメージをあたえ、すたこらと逃げても経験値は手に入る。
あんな化け物の世話は動物園の飼育員に任せておけばいい。
それらの強力な敵に立ち向かうために瀕死の状態になるとコマンドをスライドさせて、特殊技が使用できるコマンドが増える。
男性陣の場合は連続攻撃、女性陣は魔法攻撃が主で、スコールの場合は手持ちの剣で何回か斬った後にとどめのステーキな一撃を放つ。
敵から一撃でも食らうと戦闘不能になるという恐怖な展開にボタンを押す指も震えて、全身武者震いが走るが、スコールは武者と言うより無茶な男である。
──また魔法は敵からドローしてから使えるようになるのだが、一回切りの使い捨てとなっており、何回も使用したい時は敵から何度もドローするしかない。
このⅧでは魔法の攻撃力は弱めで補助で装備できる意味を秘めていた。
しかしドローをするまで何の魔法か分からないのでスリルある駆け引きでもあったし、その分、戦闘にも時間がかかった。
──召喚獣の攻撃方法も微妙に違う。
おうえんというコマンドを装備していると画面にボタン入力の指示が出てきて、指示が表示されている時にボタンを押すと、攻撃力が最高9999までアップする。
でもこのボタン表示がないときにボタンを押すとおうえん失敗になり、その時点で攻撃力がある程度まで下がってしまう。
召喚獣の行動するパターンに慣れるまでは非常に難しい操作方法とも言える。
──基本、モンスターを倒してもお金は手に入らず、お金は敵などが落としたアイテムを売ったり、養成学校の給料などからしか貰えないちょっとリアル寄りなシステムで、武器さえも売っていなく、魔法や召喚獣をジャンクション(装備)することでキャラのステータスに上乗せされる。
武器はジャンク屋と呼ばれる鍛冶屋にて、持ち前の武器を改造することで攻撃力が上がり、それにより特殊技の内容も変化する。
武器は何度も打ち直すことができ、ランクを下げた特殊技で戦いを進めることも出来た。
──スコールの最強の特殊技は無くてはならないくらい強烈な技になるが、ラスボスが相手となるとその技も通用しない。
一斬りで9999というカウンターストップなダメージをあたえながら上空へと飛翔し、何回も剣を振り下ろすダメージマックスな攻撃の嵐。
とどめに体を突き抜けて、フェンシングで打ち勝ったようなニヒルな締めで決めるのだが、ラスボスは何のダメージも受けてない平気そうな表情で居座っている。
この最強剣ライオンハートでエンドオブハートという最強技を何十回ぶつけても倒れない有り様で、このラスボスのHPはどのくらいあるんだよ! と突っ込んでしまう。
それどころか、向こう側の攻撃を一発受けただけでパーティー全員が瀕死になり、スコールの最強技で反撃して、即座にパーティーの体力を全回復。
これで安心して戦えると思えば、またラスボスのムチのような攻撃を受けて一発で瀕死になるの繰り返し……。
その腕前なら一気に息の根も止めることも出来そうなラスボスなんだけど、明らかに戦いを楽しんでいる様子……。
お前さん、実はフ○ーザの仲間だろ。
どこぞの少年漫画だよ‼
──ちなみにこのゲームは本編とは別にトレーディングカードを収集して、色んな人物と本格派のカードゲームで遊べたり、チョコボをキャラとしたなりきりRPGをポケットステーションで遊べたりも出来る。
ミニゲームというより、独立した形の別のゲームという感覚だ。
サブシナリオやイベントも豊富にあり、いかにそれをうまく解き放つことで、このⅧの謎を紐解くことも出来た。
──近年、ダウンロード限定としてこのFFⅧのリメイク版が発売となった。
荒々しかったキャラクターの画像はクッキリと鮮明になり、スコールたちはさらにカッコ良く映えて、リノアたち女性陣もさらに色っぽくなった。
戦闘時間も倍速で短縮でき、イベントシーンなども倍速で進められるようになった。
生演奏のオーケストラのBGMもよりクリアになり、演奏は早送りされないので違和感なくプレイ出来るはずだ。
──このⅧはとにかく、イベントといい、リアルタイムのバトルといい、色々とドキドキハラハラの連続だったが、格ゲーのような戦闘シーンもあったので個人的には遊びやすい作品だった。
それにも関わらず、主人公のスコールがどうもしっくり来ない、物語の内容が乙女がハマりそうな恋愛ドラマっぽい、さらにいくらレベルを上げても敵に圧勝出来ないから不満……などという目線のプレイヤーもいて、当時の友達も表面上では、このFF作品だけは遊んでいなかった。
FFⅧは前作が大ヒットし、多額の資産で作り込んだ煌めいた作品だったが、そこが逆に裏目に出た作品でもあった。
確かにレベル上げも簡単で私の腕前でもすんなりとクリアはできたが、このモヤモヤ感は何なのだろうと……。
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