第12話 スーパーボンバーマン3(ACT)
ボンバーマンとは宇宙征服を企む悪の科学者とその部下たちに専用の爆弾を持って立ち向かうシュールな物語である。
メーカーは『高橋名人の冒険島』などの数あるヒット作を飛ばしてきたハドソン。
過去にファミコンなどで何作も続編が発売され、本作はシリーズ13作目に当たる。
当時は独自なキャラだったボンバーマン本人も親しみやすいヘルメットを被ったキャラだったが、それとは裏腹に強力な爆弾(ボム)を所持していて、『お主ら、危険物の資格は取っているのか?』と不安な対象にもなる彼ら。
まさに13日のボンバーマンの誕生である。
ゲーム内容はそのボンバーマンを操作して、ワンボタンで生み出せる爆弾を設置し、目の前を塞ぐブロックの壁を壊したり、モンスターを退治する内容で、ノーマルモードでは二人同時プレイも可能。
ただしお互いに相手を気遣わないとアイテムの早いもの勝ちになったり、味方の爆風にやられたりと理不尽な理由で喧嘩になることもしばしば……。
車の運転にしろ、ゲームにしろ、心のゆとりというものは必要だ。
──ブロックを壊すと出現するアイテムも多種に渡り、一度に置けるボムの所持数の増加に、火力のアップやスピードアップはもちろんのこと、設置した爆弾を蹴れるキックや、爆弾を持ち上げて前方に投げるグローブ、ボタン操作でいつでも爆破可能なリモコン爆弾などもあり、様々な戦略性が求められるようになった。
またこの作品はスーファミ初のルーイという犬のような生き物も登場し、乗ることによって様々なアイテム効果ができるようになった。
ボムなどでダメージも受けるが、その場合はプレイヤーを一回だけ庇って消えてくれる。
ちなみにアイテムにはドクロというハズレアイテムもあり、取ってしまった場合、様々な状態異常を引き起こす。
足が急速に遅くなったり、爆弾を自動的に落としたり、火力が最弱になったりとメリットはない。
時間が過ぎるまで辛抱強く待つしかないのだ。
ワタシ、イツマデモマツワ。
──このボンバーマン、ノーマルモードでも楽しく遊べるが、一番の醍醐味は仲間とワイワイ楽しんで遊べるバトルモードだろう。
今回は世界中から集ったボンバーマンたちからキャラクターを選択でき、最大五人同時にて遊べる作りとなっている。
ステージの隅か、中央から壁に閉じ込められた場所からバトル開始となり、閉ざされたブロックを破壊してアイテムを手に入れて強さに磨きをかける前半、
遮るものが等間隔に置かれた耐火ブロックのみの広大な広場との2パートに綺麗に分かれる。
その純粋に相手を倒すのみのバトルな後半、ボンバーマンはこの後半戦が一番の楽しみであり、パズルゲームのように色々と戦略を試しながら死力を尽くしてバトルをするさまは多くのプレイヤーの目を惹きつけた。
後半のパートはまさに戦場だ。
あちこちから爆風が飛び交い、フィールドの外からはみそボンというお邪魔キャラの攻撃、やられたボンバーマンのアイテムの取り合い、制限時間が少なくなると空から壁が降ってきて狭くなっていくフィールドなどと息をつく暇もない。
私は専用のボンバーマンの攻略本から多くの爆風での攻撃を学び、特に『爆弾格子置き』という一度ハメたら確実に葬れる技がお手頃でお気に入りであったが、それを色々と実践してミスって我が爆風でやられるという情けない部分もいくらかあった。
技自体は便利なのだが、凶器な爆弾のゆえ、下手をすると自爆になってしまい、扱い方が難しい。
しかも相手が腕利きの人間となるとこんな単純な技では通用しない。
中にはアイテムの装備の貧弱さに嘆き、自爆覚悟で技うんぬんをするより突撃してくる相手や、相手に伝染できるドクロアイテムのなすりつけ、おまけに無敵アイテムを利用して爆風と共に突っ込みをするなどと、とんでもない展開もあり、私も仲間とその爆風でしょっちゅう道連れに……。
そしてゲーム終了までみそボンとなり、小型飛行機で四方の外から腹いせにフィールドにいるライバルにボムを投げつける……。
私は何でこんな高いお金を払ってまでこの分厚い攻略本を買ったのかと物思いに更ける日もあった……。
またNPC(コンピューター)のキャラにすると個性に溢れた独特の動きとなり、そのボンバーマンのキャラにより、攻撃方法が変化する。
NPCの難易度も三段階まで調整でき、裏技でもう1ランク難しい設定ができるが、最高の難易度にするとボムの爆風や攻撃範囲内をギリギリの計算で避けるため、それなりに考えないと倒せない仕組みとなっていた。
余談だが、この時期にこのボンバーマンと似たような少年誌の4コマギャグ漫画も人気を呼んだ。
主人公のつなぎを着たダイナマンという男の宇宙人が日本に降り立ち、人間たちと交流を育むのだが、人間の不快な行動に腹にきた場合や、何かあってイラついた時は持っていた爆弾で攻撃するというスカッとするような物語である。
主人公のダイナマンの姿形があまりにもボンバーマンと酷似していたため、当時は色々と騒がれた作品でもあった。
──ボンバーマン、私はスーファミでこの作品を知り、1からこの3までプレイしたが、三作品とも楽しいゲームでもあった。
ノーマルモードは個性的なので慣れるのには時間がかかるが、仲間でワイワイ遊べるバトルモードは初心者でも受け入れやすいパーティーゲームのような感覚で実に面白かった。
その後もシリーズは発売され続け、オンラインゲーム対応にもなり、一度に何十人にも渡る広大なフィールドでのバトルゲームさえも生み出していった。
しかし、このスーパーボンバーマン3の時期からスーファミのソフトの作品もグンと減り、次世代機のセガサターンとプレイステーションの争いが主となった。
両機種ともハード本体の値段を半額まで下げて、よりゲーマーの購買意欲をそそる状況となってきたのだ。
サターンか、プレステか、そんな私が次に選んだ機種とは……。
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