第3話

 その小さなペンギンは、そのまんまるい目でしっかりとこちらを見つめている。


「そろそろ日も暮れるし、然もこんな所で野宿も何やし、宿でも取ったらどう?」


 とペンギンが喋りかけてくる。


 落ち着こう、落ち着いて話せば分かるはず。

と言っても何が分かるのであろうか?

然し、そこは、彼は科学者であった。

目に見えないものは信じなくとも、実際に目の前にあるものには疑問を感じても、実際にある以上は逆に好奇心が湧いてくるというものである。


「何処か良い宿でもご存知なのですか」


「まぁな、ワイが居候してる宿屋があんねん。紹介したるわ。取り敢えず、この河原から上がろか」


 話をしている、私は今、小型のペンギンと話している。落ち着け、私はペンギンと話している・・・、やっぱり私はアホか?


「おい、お前、さっきから動きが止まってるで。取り敢えず、ワイ、この馬鹿でかいリュックのてっぺんの中に入るさかいにや、チャックだけ開けといてーや、そこから道順な、説明したるさかいに、ほな、行こか」

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