カフェと映画とゲーセンに

いつもより可愛い服を着て、いつもより可愛くメイクした。

今日は待ちに待った春奈と遊ぶ日であり告白する日だ。

怖くないと言えば嘘になる。

今でも緊張で倒れそうになるのを必死に堪えている。


そうこうしてるうちに待ち合わせ場所の駅に着いた。

スマホで時間を確認すると待ち合わせに15分近く早く着いていた。

涼しい風が吹く中、彼女を待つ。

11分位経ってから息を切らしながら春奈が来た。


「…ご、ごめ……待っ…た?」


余程急いで来たのだろうゼーゼーと息をしながら謝る彼女に


「大丈夫、私もさっき来たところ」


とありがちな返事をする。

そうするの彼女はへへっと笑って、


「良かったぁ…、

待たせちゃったかと思ったぁ…」


春奈が息を整えるまで待ってから映画館に向かった。


見るのは有名なラブコメ。

ポップコーンとドリンク二つ買って席に着く。

始まるまで楽しみだねと話す。

段々と人が多くなり、それに比例して会話も少なくしていく。

照明が消えていき、皆がスクリーンに注目する。


物語はありきたりな話だった。

ヒロインは転校生のイケメン王子に一目惚れする。席が隣になり彼に振り向いてもらう為色々なトラブルの中努力する話。

最終的にヒロインは友人たちの力も借りて告白し、成功する。


ふと春奈を見る。

スクリーンの光が瞳に映り綺麗だ。

画面に集中してる彼女はこっちの視線に気づかない。

やはり彼女は美しく、可愛らしい。

ある意味私もあのヒロインと似てるのかもしれないとか馬鹿げたことを思った。


あっという間に映画は終わり、感想を言いながらゲームセンターに行って、大きめのぬいぐるみを春奈に取ってあげた。

ニコニコキラキラ笑う彼女を見れて私も少し笑ってしまう。

じゃれながら笑いながら彼女と遊ぶ。


休憩の為に少しオシャレなカフェに行く。

昼を過ぎてるため混んでない。

カフェの奥の席に座った。

ペペロンチーノとホットコーヒー、

サンドイッチとアイスミルクティーを頼む。


来るまでの間にまた映画の感想を言い合う、しかし映画の感想が尽きた時、心の準備をした。

今にも倒れそうなほど胸が熱い。


「「ねぇ」」


2人して被って、春奈に譲った。

ありがとうと彼女は言っていつも以上のテンションで話し出す。


「報告があってね!

私、実は……」


「実は何よ」


なんて笑いながら言葉の続きを促した。


「実は!彼氏が出来たの!!」


「……え?」


運命は残酷だ。そうでしょ?

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