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 夕方。


 いつものように、ゲームセンターにいる。


 なんか、最近は人が多くなった。このゲームも、遂に人気が完全なものになったのかもしれない。大会とか。開かれるんだろうか。


 メインボード。有象無象の、なんともいえないよわよわしい対戦が繰り広げられている。そんなものに興味はなかった。


 いつものように。

 サイドボードを見てる。


 あのサイドボードには。

 彼がいる。


 コンピュータ戦のスコア。

 上位には、まだまだ彼がいる。

 負けられない。

 ぜんぶ、サイドボードから追い出してやる。


 指環を見る。大丈夫。集中してる。今日は行ける。彼がいなくても。大丈夫。


 わたしの番が来た。

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