第4話 ヒント

 船に乗り、海に出た。あつい日差しを浴び、新しい大陸に着いた。




 ここも特段、物騒な様子はない。



 実際、人々が何を考えているかまではわからないが、盗賊が現れたりもしないし、海の怪物が襲うわけでもない。





 私は次第に気づき始めたかもしれない。この世界の秘密に。




 この世界はすでに、何か物語を経た後の世界なのではないかと。




 それはたとえば、勇者が世界を平和にした後の世界。




 もしそうだとしたら、素敵なことだ。



 しかし、逆に怖い考えも浮かぶ。




 これから魔王に、襲われる世界。




 何にせよ、この二つの考えが、私を何者か証明するまでには至らない。



 ただ、私の手のひらに宿る魔法は、誰しも使えるものではなさそうだ。



 そこに私を紐解くヒントがあろう。




 ならば、考えられることはシンプルだ。

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