第2話 平和な世界
町に出て目についたのは商店街。野菜や魚、何でも売っている。
剣とか銃とか、武器の類は売っていなかった。そのことになぜか少しホッとした。
武器が必要ないことを証明するように、いきなり凶暴なモンスターに出くわすこともない。ここは平和な世界だ。
町を抜け、森の中を進む。虫や動物たちはいても、気をつければいい。
森を抜けると、広大な草原、丘、野山……豊かな自然が広がっていた。線路も見え、移動の便利さもありそうだった。
そんな景色の中を私は小走りで進む。
心地良い疲れを感じながら、時々休む。岩に腰かけたり、野原に寝転んだり。青空に白い雲が流れていく。
ある意味では退屈だ。でもこんな景色を前から望んでいたような気もする。
夜になると少し肌寒い。半袖を着ていた。火が欲しいと思うと、手のひらから火が出た。
枝は拾って集めて、着火する。別に手から火が出ようと、大したことではないだろう。商店街には色々売っていた。マッチだってコンロだってチャッカマンだってライターだって。
ただ手のひらから火が出るのは、魔法のようだった。あるいは手品か。でも、手品じゃない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。