続・番外編①圧倒的ギャンブル! 100万円を1晩で使い切れるかチャレンジ!
前回のあらすじ……近場の福岡でギャンブル企画のお試しをすることになった僕らは、早速近場のギャンブルからどれにするか選ぶのであった。
「福岡のギャンブルと言えば、ボートレースだろう」という田中さんの言葉により、ギャンブルはボートレースに決定。早速ルールを設定し、翌日、福岡レース場に向かった。参加メンバーは僕、斎藤ちゃん、M社長、カメラマン田中さんの4名。
ルールは、以下の通りだ。
・参加者が生活に全く影響しない程度のギリギリの金額を持ち寄る
・持ち寄った金は参加者全員の共有資金とする
・話し合って賭けの方針を決める
・最終的に確定した勝利金は全て、一晩で使い切らなければならない
最後のルールは、ギャンブルの配当はあぶく銭だという言説に由来する。あぶく銭はすぐ無くなるというのなら、敢えてすぐ使い切ろうという魂胆だ。なお、使いきれなかった場合は募金する。
持ち寄った金額は、それぞれこうなった。
僕:1万円
斎藤:2万円
田中:1万円
社長:10万円
合計:14万円
社長だけ生活に影響しないギリギリの金額が大きすぎて、社員全員から顰蹙を買っていた。「給料上げろー!」とブーイングの嵐。僕だけ業務委託の部外者なので、高みの見物を決め込む。
早速、賭けの方針を話し合うことになった。
斎藤「とりあえず、単勝いっときます?」
ボク「とりあえずの意味がわからない」
田中「三連単だろ」
社長「とりあえずなら三連複だろ」
意見が食い違った。全員我が強く引き下がらないので、仕方がないからじゃんけんをすることに。僕と社長は同意見だったため、僕が代表で勝負することになった。
僕が勝てば三連複、斎藤ちゃんが勝てば単勝、田中さんが勝てば三連単。どの舟に賭けるかすら決まっていないのに。
結果は、初手で斎藤ちゃんの一人勝ち。これは勝負強いに違いないということになり、舟と金額は斎藤ちゃんに全て任せることにした。
1号艇に3万円賭けることに。オッズは、1.7。単勝と言えど、1号艇は一番内側で有利なため人気が強く、オッズはそう高くはならない傾向がある。勝てば5万1000円、2万1000円の儲け。
投票締め切り後すぐ、レースが始まった。1号艇は最初順調に伸びていったが、スタート時点では1号艇は明らかに有利であり、優位に立つのは当然と言えば当然だろう。固唾を呑んで見守る中、1号艇は徐々に抜かれていき、すぐ4番になってしまった。
一周・二周と一瞬二レースが過ぎ去っていく。この一瞬で3万円が消えることに恐怖しながらも、ラスト一周に入った。
結果、1号艇は3着。単勝は1着を当てる賭け方であり、当たりか外れかの二種類しかない。
負けた。残り資金は、あっという間に11万円になった。
次のレースは、3連単に1万円賭けたが、外れ。その次も1万円で外れ。総資金に対し、賭け金額がいちいち大きすぎる。
頭のおかしくなったM社長が、「5万賭ける!」と言い出した。全員頭がおかしくなっていたため、M社長が独断で単勝に突っ込むのを誰も止めなかった。何に賭けたのかすら、知らない。
結果、見事に惨敗。残り資金は、4万円。そして、ここまで能動的に賭けてこなかった僕に白羽の矢が立った。
斎藤「この4万で、ぶちかましてくれ……」
ボク「え、全部賭けろってこと?」
社長「5万の雪辱を!」
田中「1万の恨みを!」
ボク「たく、しょんなかねえ……やりますか!」
とはいえ、僕にボートレースのことは全くわからない。どれが人気なのかもわからない。僕はノリと勢いに任せ、適当な番号を選び、4万円を単勝に突っ込む。狂気の沙汰ほど面白い。確定時のオッズは、2.7だった。無難じゃねえか。
僕の選んだ舟は最初こそ出遅れたが、怒涛の勢いで抜かしていき、1着を勝ち取った。
ボク「勝ったケロ」
斎藤「うおー!10万8000円やー!」
社長「トータルやと負けとるけどな!」
ボク「楽しくなってきた!ちょ、これ全ツッパせえへん?」
斎藤「いいねいいねー!ぶちかませ!」
社長「感動した!お前は漢や……」
田中「え、まじでやる流れ?」
その後、田中さん以外の全員が適当な番号を選んで三連複に全ツッパした。ここで三連単や単勝じゃないのは、少しの日和だろうか。確定時のオッズは、約10倍。詳しくは覚えていない。
三連複は、1着から3着までを当てる賭け方だ。三連単と違い、順番は関係ない。選んだ舟が1着から3着に全て入っていればいい。
結果は、勝利。圧倒的勝利……!
ボク「大勝利やんけ!」
斎藤「これが私らの力じゃー!」
社長「よっしゃー!これで終わろ!遊び行こ!」
田中「まじかよ……怖いわこの人ら」
思い思いに喜びの言葉を口にする。
しかし、ここからが問題だ。約100万円を、一晩で使い切らなければならない。募金して社会貢献するのも構わないはずなのに、僕たちはなんとしてでも使い切りたいという気持ちになっていた。
とりあえず、祝杯をあげるため、僕らは中洲へと繰り出した。
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